[2019_04_03_03]東電、ふるさと納税で原発計画の東通村に2億円寄付…「福島を置き去り」批判噴出!(税理士ドットコム2019年4月3日)
 
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東電、ふるさと納税で原発計画の東通村に2億円寄付…「福島を置き去り」批判噴出!

 東京電力ホールディングスが3月末、「企業版ふるさと納税制度」を使い、青森県東通村に多額の寄付を申し出たことが波紋を呼んでいる。東通村には建設を中断した東通原発が立地。原発事故の賠償などは道半ばで、「福島の復興に回すべきお金ではないか」との指摘も出ている。

●「東電に多額の税金を投入しているのに」

 河北新報(3月30日付)などによると、寄付は2018年度に2億円。上記の指摘に対し、東電幹部は3月29日、「福島の復興に責任を果たすことに変わりはない。並行して、ここ(東通村)で事業を営むことも使命と考えている」と答えたという。
 福島第1原発の事故後、東電には巨額の公的資金が投じられ、寄付を原則しないとしてきたが、再開した形だ。「被災地から非難の声も上がりそうだ」(河北新報)、「再稼働や新設を進める立地自治体への寄付は議論を呼びそうだ」(朝日新聞)などと報じられている。
 ツイッターでは、東電の姿勢を非難する声が目立った。「税金が投入されている企業が寄付するのはありえない。福島を置き去りにして原発を推進するな」「福島第1原発の事故処理のために東電に多額の税金を投入しているのに」などと、憤る投稿が続いている。

●東電「社会的責任の観点から地域に貢献していく」

 では、東電が選んだ企業版ふるさと納税とは、どんなメリットがあるのか。
 この制度は、企業が地方自治体に寄付をすると、税負担が軽くなるというもの。2016年度に始まり、2019年度までの特例措置となっている。今回は、内閣府の認定を受けた東通村が寄付を求めていた。
 寄付をする東電は、寄付額の6割(通常の2倍)が税額控除となり、法人税・法人事業税・法人住民税が安くなる。2億円の寄付をすると、1億2000万円分の法人関係税が軽減される計算だ。
 東電は3月29日、HP上で東通村に寄付を申し出たことを発表し、次のようにコメントした。
 「当社は、地域に根ざした事業活動を進めていくためには、地域の一員として、地域社会の持続的発展をともに創り上げていくなど、社会的責任の観点から地域に貢献していくことが重要であると考えております」
 2019年度の寄付の見通しについて、東電の広報担当者は取材に「現時点で決まっている事実はない」と答えた。

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