[2017_03_18_08]東通原発の断層、規制委審査 原子炉直下「活動性なし」 東北電の主張受け入れ(東奥日報2017年3月18日)
 
 原子力規制委員会は17日、東北電力東通原発(東通村)の重要施設直下の断層に関する審査会合を都内で開いた。原子炉建屋の下を走る断層「f12」について規制委側は「将来活動する可能性のある断層(活断層)ではないことを確認した」とし、東北電の主張を受け入れた。一方、海水熱交換器建屋などの下の「f一1」、取水口直下の「m−a」は活動性を判断するためのデータが足りないとし、結論を持ち越した。
 原発の新規制基準は、13万〜12万年前以降に動いた活断層の上に重要施設を置くことを認めていない。東北電はfー2について、約1千万年前にできた鉱物脈が保持されていることなどから活断層ではないと説明。規制委側は「おおむね理解した」と述べた。
 f−1に関しても東北電は、周辺の断層「F−10」「F−8」より活動年代が古く、少なくとも13万〜12万年前以降の活動はないと主張。しかし規制委の石渡明委員は「東北電のデータからはf一1の方が古いかどうかははっきりしない」と疑問を示した。f−1周辺の小石が断層活動で動いたような配列に見えるとも指摘し、より詳細な分析を指示した。
 東北電はm−aとF−10、Fー8には類似性があり、いずれも活動性はないとしたが、規制委側は「そう言い切るのは難しい」とし、追加調査も視野に入れたデータ収集を求めた。
 会合後の取材に東北電の藤原正雄執行役員は、f−2について「説明を理解していただき、一歩進んだと思う」と語った。m−aの追加調査に関しては「まずは今あるデータを整理して説明できないか検討する」とした。  (古川靖隆)
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