[2016_10_01_01]東通原発5キロ圏ヨウ素剤を配布 来月、県が2800人分(東奥日報2016年10月1日)
 
 東北電力東通原発の重大事故に備え、県は30日、原発から半径5キロ圏内の東通村住民約2800人(約1300世帯)を対象に、甲状腺被ばくを防ぐ「安定ヨウ素剤」を11月に事前配布すると発表した。国の原子力災害対策指針に基づく措置で、県内の事前配布は初。
 ヨウ素剤は原発事故時に放出される放射性ヨウ素による内部被ばくを防ぐための医薬品。下痢などの副作用が出る場合もある。
 県は原発から半径30キロ圏内5市町村の住民約7万3千人のため、ヨウ素剤約41万9千錠を備蓄している。
 国の指針で5キロ圏住民に関しては事前配布が求められており、県や村の防災計画が取りまとめられたことから、今回約5500錠の事前配布を決めた。同村老部、白糠、小田野沢地区の住民(3歳未満や薬剤アレルギーがある人は除く)が対象となる。
 対象住民には10月中旬に問診票を送付。事前配布の当日は医師が効用や服用・管理上の注意点を説明し、服用に問題がないと判断した人には年齢に応じ1人1、2錠を配る。説明会・配布は、11月4日から19日にかけて村内3会場で計12回開催する予定。
 先行配布した他県では説明会への参加率が低く、事前配布が進んでいない例もある。県医療薬務課の奈須下淳課長は「ヨウ素剤は住民の健康を守るのに必要。万一に備え配布を受けていただきたい」と呼び掛けている。
 5〜30キロ圏住民には、避難時にヨウ素剤を配布する。   (阿部泰起)
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