[2015_11_01_01]再稼働1基 最大25億円 経産省新交付金 原発立地自治体に 「まず迅速な審査を」 東通村長 (東奥日報2015年11月1日)
 
 経済産業省は31日までに、原発が再稼働した際の立地自治体に対する支援策として、最大で26億円の交付金を支払う新制度を導入した。すでに官報に掲載し、運用を始めた。立地自治体への交付金を手厚くすることで、原発再稼働に対する地元の同意判断を促す狙いがあるとみられる。
 10月16日付の官報などによると、国は原発の立地自治体に、原発1基の再稼働につき年間最大5億円の交付金を5年間支払う。
 地元の原発が再稼働した自治体は、原発が停止したままの自治体より多くの交付金を得られる仕組み。財源は電力利用者が納める「電源開発促進税」が充てられる。
 交付金が大きな財源になっている原発の立地自治体は原発の長期停止で財政が悪化している。原子力規制委員会の原発審査が進み、今後各地で再稼働をめぐる地元協議が始まるとみられる中、新たな交付金が自治体の同意、不同意の判断に影響を与える可能性がある。
 九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働によって原発ゼロが終わったことを踏まえ、経産省は稼働実績に応じて立地自治体への交付金に差をつける方針を決め、具体策を検討していた。

 「まず迅速な審査を」 東通村長

 東北電力東通原発1号機が停止中となっている東通村の越善靖夫村長は31目、本紙取材に対し「(新交付金の話は)村としては聞いていないが、事実であれば喜ばしい話」とする一方、「東通原発再稼働の見通しが分からない状況では手放しで喜ベない。まずは再稼働への見込みが早く立つように、原子力規制委員会の迅速な審査や国の努力を求めたい」と話した。    (白鳥遼)
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