[2020_02_18_06]中電社長に林氏 勝野氏、電事連会長も退任(中日新聞2020年2月18日)
 
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中電社長に林氏 勝野氏、電事連会長も退任

 中部電力は、勝野哲社長(65)が四月一日付で代表権のある会長に就き、後任に林欣吾取締役専務執行役員(59)が昇格する人事を固めた。中部経済連合会の次期会長に内定している水野明久会長(66)は相談役に退き、財界活動に軸足を移す。四月に送配電会社の法的分離(分社化)を控えており、新規事業の開拓でも道筋がついたことから、経営体制の刷新に踏み切る。十九日に発表する。
 勝野氏は社長交代に伴い、大手電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)の会長も退任し、後任に九州電力の池辺和弘社長(62)が就く方向で調整している。電事連の会長職はこれまで中電、関西電力、東京電力の三社が引き受けており、三社以外から会長に就くのは初めてとなる。
 中電の社長交代は二〇一五年以来、五年ぶりで、林氏は〇一〜〇六年に務めた川口文夫氏(79)以来の事務系出身者となる。主に販売畑を歩み、電気料金メニューや営業戦略の策定に注力。一一年の東日本大震災直後には経営戦略本部に異動し、当時、本部長だった勝野氏の下で浜岡原発(静岡県御前崎市)停止を踏まえた経営戦略の再構築に携わった。一八年四月に販売部門トップに就任。電力に加え都市ガスの販売も指揮し、首都圏を中心に中部圏外での顧客獲得にも力を入れてきた。
 勝野氏は一六年の電力、一七年のガスの小売り全面自由化に伴う競争激化を踏まえ、法人向け、小規模店舗・家庭用向けの販売会社をそれぞれ設立するなど体制を強化した。
 昨年六月には三年間務めた電事連会長を退いたが、後任の岩根茂樹関電社長(66)が金品受領問題を受けて会長を辞任したため、十月に異例の再登板をし、業界全体のコンプライアンス(法令順守)徹底に向けて議論をリードしてきた。

 <林欣吾氏(はやし・きんご)> 京大法学部卒。84年中部電力入社。お客さま本部部長や東京支社長などを経て、18年4月に販売カンパニー社長(専務執行役員)。同6月から取締役。三重県いなべ市出身。
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