[2015_06_16_02]中部電力 浜岡原発3号機の審査申請(NHK2015年6月16日)
 
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中部電力 浜岡原発3号機の審査申請

 東海地震の想定震源域のほぼ中央にある静岡県の浜岡原子力発電所3号機について、中部電力は16日、再稼働の前提となる審査を原子力規制委員会に申請しました。浜岡原発の審査の申請は4号機に続き2基目です。
 中部電力原子力本部の増田博武原子力部長は16日午前、原子力規制委員会を訪れ、浜岡原発3号機の審査の申請書を提出しました。
 浜岡原発としては4号機に続き2基目の申請で、中部電力によりますと、4号機と同じく原子炉建屋などが建っている地盤の地震の揺れを1200ガル、敷地に達する津波の高さをおよそ21メートルと想定し、高さ22メートルの防波壁などの安全対策を取っているということです。
 申請後、増田部長は「安全性向上の対策を審査の中でしっかりと説明すると同時に、地元にも丁寧に説明することが重要だと考えている」と話していました。
 東海地震の想定震源域のほぼ中央にある浜岡原発は4年前の福島第一原発の事故のあと、当時の政府の要請を踏まえ4号機と5号機の運転を停止し、当時、定期検査中だった3号機も停止したままになっています。
 去年2月には4号機の審査の申請が出されましたが、原発とその周辺で想定される地震や津波の議論に時間がかかり、今のところ審査が終わるめどは立っていないうえ、周辺自治体からの反対もあり、中部電力が目指す再稼働は見通せない状況です。

静岡県知事「申請と運転再開は別もの」

 静岡県の川勝知事は、中部電力が浜岡原発3号機の安全審査の申請を原子力規制委員会に行ったことについて「安全対策のチェックは常にしなければならないので、安全審査を申請するのは健全な行為だが運転再開とは別ものだ。原子力規制委員会には徹底的に審査してもらうとともに、中部電力も内容をわかりやすく説明し、県民に安心を与えてほしい」と話していました。

御前崎市長「再稼働に結びつくものではない」

 中部電力が原子力規制委員会に浜岡原発3号機の安全審査を申請したことについて、原発が立地する御前崎市の石原茂雄市長は「自分としては安全審査の申請は再稼働に結びつくものではないと考えている。国の厳正な審査を受けて、不備が見つかればしっかりした対応を取ってさらに安全対策を進めて欲しい」と話しました。

牧之原市長「再稼働前提の姿勢に納得できず」

 中部電力が原子力規制委員会に浜岡原発3号機の安全審査を申請したことについて、原発からおよそ2キロの距離にある牧之原市の西原茂樹市長は「地元や電力消費者の理解を得ての申請ではなく、再稼働を前提とした姿勢には納得できません。浜岡原発の立地の状況などを考慮すれば、永久停止にすべきだという考えは変わりません」というコメントを出しました。

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