[2021_07_07_03]東電 福島第2原発の除染着手 使用済み核燃料搬出など課題山積(毎日新聞2021年7月7日)
 
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東電 福島第2原発の除染着手 使用済み核燃料搬出など課題山積

 東京電力は6日、廃炉作業が始まった福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)の除染作業を報道関係者に公開した。東電は2064年度までに全4基の廃炉完了を目指すが、使用済み核燃料の搬出や放射性廃棄物の処理方法など課題は山積している。【寺町六花】
 報道陣への公開は、2018年6月に東電が第2原発の廃炉方針を正式表明して以降初めて。記者は何重ものセキュリティーチェックを受け、1号機の6階建て原子炉建屋4階にたどり着いた。
 4階では防護服を着て防じんマスクをかぶった作業員が2チームに分かれて作業していた。原子炉内で燃料の核分裂反応を抑えていた制御棒を出し入れする駆動機構(CRD)の補修室にある、CRDの分解装置などを高圧洗浄機を使って水を吹き付け放射性物質を除染した。1〜4号機の分解装置の表面線量は毎時0・3〜4・0ミリシーベルトになるという。この作業を補修室の外から見学した記者は防護服を着ることはなかった。
 東電によると、第2原発では現在、1日当たり750人の作業員が働いているという。
 東電は44年間の廃炉工程のうち最初の10年間を「解体工事準備期間」と位置付けている。取材に応じた福島第2原発の三嶋隆樹所長は「44年間という非常に長い廃止措置がスタートすることを実感した。地域の皆さんの理解と信頼を第一に安全着実に作業を進めたい」と話していた。
 ただ、課題は多い。9532本の使用済み核燃料は県が県外搬出を求めている。東電は、金属製容器に入れて空気の循環で冷やす乾式キャスク貯蔵施設を敷地内に設置し一時保管する予定だが、最終的な搬出先は未定だ。三嶋所長は「県外搬出は県との約束だが、行き先を決めるのには時間がかかる」と説明した。また、解体で生じる放射性廃棄物について「免許を持った処理事業者は日本にいない。他電力と連携して解決し、早く道筋をつけたい」と話した。
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