[2016_11_25_03]福島第二原発3号機使用済み燃料プール冷却水停止から見える変わらない東電体質、社会との対話が必要不可欠(AFW2016年11月25日)
 
参照元
福島第二原発3号機使用済み燃料プール冷却水停止から見える変わらない東電体質、社会との対話が必要不可欠

11/25(金) 7:00
 11月22日明朝、福島県沖で起きた震度5弱の地震は津波の発生に伴い、社会中に東日本大震災・原子力事故を連想させました。同日、福島第一原子力発電所から南に約12kmに位置する福島第二原子力発電所3号機では、使用済み燃料プールの冷却停止のトラブルが起こり、こちらについても社会中に大きな不安を与えることとなりました。
 福島第二原発3号機使用済み燃料プールの一時冷却停止の問題は、原因が警報の誤作動よること、温度上昇も0.2℃で収まったことから、鎮静化をたどっています。
 しかし、この事象を紐解けば、今も変わらぬ東電体質と私達が原子力に対して相変わらず委ねるしかない状況が浮き彫りになります。

ことが起きてから知るが続く報道
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 社会不安に大きく繋がった一つの要因が、私達は原子力発電所そのものをよくは知らないということです。原発事故後の報道は全てことが起きてから知ったというものになります。
 原発事故後、原子力発電所という言葉や福島第一原発という言葉だけは知りました。ですがどういったことが起きた時に原子力発電所が不安全な状態になるかは分かりません。
 今回トラブルが起きた使用済み燃料プールは、原子力発電所の専門家でなければ知らないようなマニアックな設備ではなく、使用済み燃料を保管するプールですから、最たる設備の一つとも言えます。
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 それら基本設備がどういったものか、どういった事象が起きた時不安全状態になるか、原子力発電所が始まってから約40年、原子力事故から5年と8ケ月、こうしたものですら世に伝わっていないのが現状です。
 知らぬ・分からぬのままでは判断が出来ず、時にこうした災害時に予測することも出来ません。

過去同様の事象は起きていた

 筆者は福島第二原発3号機使用済み燃料プールの冷却停止の報道を見た際、「あぁスキマサージタンクの水位計の誤作動だな」と直感的に思いました。これは、筆者が福島第一原発・第二原発で使用済み燃料プール水浄化設備の担当を14年携わってきて、幾度か経験したからです。
 ここから言えることは、過去起きた事象は当然起こる、事前に知りえた情報であり、それが社会浸透していれば、原子力事故後を暮らす人達の不安を少しでも抑えることが出来たということです。
 冷却が停止しました、復旧しました、警報の誤作動でしたと伝える前にやることがあったと言えます。

誰の目線から見て安全・安心を作り上げていくのか

 ここに今も変わらぬ東電体質の根幹があります。その体質とはエンジニア目線で何ごとも決めているという点です。

福島第2原発、警報意図的に停止 「重大事案に発展する恐れ」規制委が違反認定 (産経ニュースより)
http://www.sankei.com/affairs/news/160912/afr1609120010-n1.html
 こちら同発電所で起きた当事者目線で起こした最たるトラブルとも言えます。こちら報道されたのは2016年9月、舌の根の乾かぬ内にまたも当事者目線での対応が取られました。

自ら築きあげてきたものを壊す結果に
(写真省略)



(後略)

KEY_WORD:FUKUSHIMA2016_:FUKU1_:FUKU2_:TSUNAMI_: