[2023_11_16_04]福島第1原発デブリ取り出し3回目の延期か 貫通部が塞がる(毎日新聞2023年11月16日)
 
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福島第1原発デブリ取り出し3回目の延期か 貫通部が塞がる

 09:00
 東京電力福島第1原発の溶け落ちた核燃料「燃料デブリ」を取り出す計画が暗礁に乗り上げている。原子炉に通じる貫通部が堆積(たいせき)物で塞がっていることがわかったためだ。東電は2023年度内にまず2号機で少量の燃料デブリを取り出す計画だが、3回目の延期を迫られる可能性が高まっている。
 福島第1原発事故では、1〜3号機で炉心溶融が起き、計880トンの燃料デブリが生じたとみられる。極めて高い放射線を放つため人が近づけず、その取り出しは、最長40年間続くとされる廃炉作業の最難関だ。
 東電は10月、燃料デブリがたまっているとされる、2号機の原子炉の下につながる貫通部のふたを開けた。だが、その中は灰色の堆積物で埋め尽くされていた。事故前から中にあったケーブルなどが、事故の高熱で溶けて固まったものと考えられている。
 東電がふたを開ける作業に着手したのは6月だが、ふたをとめるボルト24本のうち15本が固着しており、4カ月もかかった。このため内部に堆積物があることは予想されていたが「ここまで詰まっているとは思っていなかった」と、原子炉に詳しい岡本孝司・東京大教授(原子力工学)は驚く。
 東電は、全長22メートルの折りたたみ式のロボットアーム(縦約40センチ、幅約25センチ)を貫通部から入れ、スプーン1杯分(数グラム)の燃料デブリを回収する計画だ。…(後略)
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