[2023_09_12_01]福島第1、処理水初回7800トンの放出完了 2回目は9月末にも(河北新報2023年9月12日)
 
参照元
福島第1、処理水初回7800トンの放出完了 2回目は9月末にも

 6:00
 東京電力福島第1原発処理水の海洋放出で、東電は11日、初回分約7800トンの放出を完了したと発表した。8月24日の開始以来、トラブルなどで中断することなく計画通りに終えた。周辺海域で海水や魚の放射性物質トリチウムの濃度に異常は確認されず、2回目の放出準備に入る。

 トリチウム濃度異常なし 官房長官「計画通り」

 東電によると10日午後、タンクから処理水を放出工程に運ぶ配管の移送量が予定していた約7800トンに達し、移送を停止。11日正午過ぎ、配管内の処理水を真水で押し流して放出を完了した。
 12日以降、3週間程度かけて設備全体を点検し手順を再検討する。早ければ9月末に2回目の放出を始める見込みで、東電は「引き続き最大限の緊張感を持って取り組む」と説明する。
 東電、環境省、水産庁、福島県などは海域モニタリングを継続し、海水や魚のトリチウムを分析する。これまでの最高値は、8月31日に東電が放出口近くで採取した海水から検出した1リットル当たり10ベクレルだった。
 処理水は、第1原発の汚染水を多核種除去設備(ALPS)に通して放射性物質を可能な限り浄化。取り除けないトリチウムの濃度が国の排出基準の40分の1(1リットル当たり1500ベクレル)未満になるよう海水で薄め、海に流す。
 本年度は、処理水3万1200トンを7800トンずつ4回に分けて放出する計画。汚染水は日々増え続けているため、8月末時点で約134万トンを保管する処理水の削減量は、タンク10基分の約1万1200トンにとどまる見通し。
 松野博一官房長官は11日の記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の初回分の海洋放出が完了したことに関し「これまでのモニタリング(監視)の結果なども踏まえ、計画通り安全に進められている」と評価した。同時に、次回以降の放出も「引き続き安全に進められるよう注視したい」と述べた。
KEY_WORD:汚染水_:FUKU1_: