[2023_09_04_03]政府、水産事業者支援に207億円 脱・中国へ他の輸出先開拓(毎日新聞2023年9月4日)
 
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政府、水産事業者支援に207億円 脱・中国へ他の輸出先開拓

 2023/9/4 20:39
 岸田文雄首相は4日、中国による日本産水産物の全面的な輸入停止の影響を受けた水産事業者らに対し、緊急支援策として207億円を充てると発表した。中国向けの輸出が多いホタテを国内で加工するための設備投資や中国以外の新たな輸出先の開拓を支援する。中国市場への依存脱却を図る狙いがある。財源は今年度予算の予備費を活用する。
 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を受け、中国政府は日本産水産物の全面禁輸を続けており、なかでも日本産ホタテへの影響が懸念されている。岸田首相は4日、首相官邸で関係閣僚と協議後、記者団に「水産業を守り抜くことで、しっかりと責任を果たしていきたい」と述べた。
 農林水産省によると、加工品を除いたホタテの2022年の輸出額は911億円で、中国向けは5割超の467億円を占める。その8割は日本ではコストが高くて加工が難しい殻付きの冷凍品で、中国では消費だけでなく、殻を取って米国などに輸出されていた。
 日本政府は国内の加工能力を強化するため、殻むき機などの機器の導入費用や、既存の加工場のフル活用に向けた人材活用などを支援する。
 ホタテやナマコなど輸出減が顕著な品目は一時買い取りや保管を助け、海外を含めた販路開拓を支える。ビジネスマッチングや飲食店フェアによる海外市場の開拓も支援する。
 政府は風評対策や漁業継続支援として既に設けている計800億円の基金を使った対策も発表。出荷できない養殖水産物の出荷調整への支援をする。【山下貴史、池田直】
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