[2022_10_27_04]福島第一原発、廃棄物の保管場所を増設へ このままでは置き場が満杯に…規制委、容量が不十分と指摘(東京新聞2022年10月27日)
 
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福島第一原発、廃棄物の保管場所を増設へ このままでは置き場が満杯に…規制委、容量が不十分と指摘

 東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理する際に発生する廃棄物の保管容量が逼迫している問題で、東電は保管容器の置き場を新たに約1年分に相当する192基分を増設する方針を明らかにした。26日の原子力規制委員会の検討会で、東電が報告。ただ、規制委は増設の容量が不十分と指摘し、東電にさらなる増設を求めた。

 ◆汚染水の浄化処理で発生

 逼迫している保管容器は「HIC」と呼ばれるポリエチレン製の容器で、トリチウム以外の放射性物質を除去する「多核種除去設備(ALPS)」での浄化処理で発生する汚泥を収納する。HICは敷地南側の置き場で、コンクリートの箱の中に入れて保管。6日時点で4057基あり、容量の97%に上る。
 現状の運用のままでは、来年4月ごろに置き場が満杯になり、ALPSの汚染水処理ができなくなる。東電はもともと来年5月までに現在の置き場に192基分を追加する予定だった。さらに今回、192基分を増やすことにした。
 東電は保管中のHICを減らすため、汚泥の水分を抜いて固形物にする設備を計画し、2025年3月の運用開始を目指す。しかし、規制委は作業員の被ばく防止対策などについての設計が不適切と指摘。設備を稼働できない場合、新たな増設分を含めても25年6月に置き場が満杯になり、計画中のHICの発生抑制策が効果を上げても27年6月には満杯になる。

 ◆東電「認識が甘かった」

 検討会で、規制委の田中知委員は「現在の追加増設だけで、うまくいくとは考えにくい」と指摘。敷地南側の置き場以外に、新たな場所にも保管設備を確保するよう求めた。
 東電福島第一廃炉推進カンパニーの小野明・最高責任者は27日の記者会見で、保管容量の逼迫について「認識が甘かった」と述べた上で「現在の置き場に予定した以上のさらなる増設は難しい。どこに置ける場所があるのか検討していく」と具体策を示さなかった。(小野沢健太)
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