[2022_02_23_01]ウクライナの原子炉15基が「放射性物質の地雷」になる懸念(会社四季報オンライン2022年2月23日)
 
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ウクライナの原子炉15基が「放射性物質の地雷」になる懸念

 今後の経済を見通すうえで不可欠な視座を提供する連載「ホットイシュー」。今回のコラムの著者、ベネット・ランバーグ氏はジョージ・H・W・ブッシュ政権時のアメリカ国務省政治軍事局の政策アナリストで、著書に『Nuclear Power Plants as Weapons for the Enemy(敵の武器としての原子力発電所)』がある。戦時における原子力発電所のリスクについて、警鐘を鳴らし続けている。本記事の原題は「 The Risk of Nuclear Disaster in Ukraine 」。
 ウクライナには15基の原子炉があるロシアがウクライナとの国境にて大規模な軍事行動を起こすことは、歴史的にも厳然たる前例がいくつかある。しかし、今回、ロシア政府が引き金を引こうものなら、侵略者がこれまで直面したことのない危機にさらされることとなる。それは、ウクライナの原子力発電所4カ所における合計15基の原子炉(同国内のエネルギー需要の約50%を担う)によるものだ。
 これらの原子炉の存在は、非常に厄介な事態を予感させる。原子炉がロシア軍によって攻撃されれば、言うなれば放射性物質の地雷となりうる。その後には、風で運ばれてくる放射性物質の残骸によって、ロシア自体も被害を受けることになる。
 ウクライナの原子炉の脆弱性と、戦闘によって原子炉が破壊された場合の人的・環境的被害を考えると、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナに戦争を仕掛ける価値があるかどうかを再考すべきだろう。
 (後略)
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