[2022_02_08_01]福島など食品輸出可能に 台湾が11年ぶり受け入れ(時事通信2022年2月8日)
 
参照元
福島など食品輸出可能に 台湾が11年ぶり受け入れ

 農林水産省は8日、台湾が福島県など5県産の食品に対する輸入規制の緩和案をまとめたと発表した。台湾での手続きが順調に進めば、今月下旬にも、東京電力福島第1原発事故後の導入から約11年ぶりに輸入停止措置が一部の品目を除き解除される見通し。ただ、台湾以外でも、中国、韓国など13カ国・地域で日本産食品への輸入規制が続いており、政府は早期撤廃へ外交努力を続ける。
 日本の農林水産物・食品の輸出額は2021年に初めて1兆円を超え、うち台湾は全体の1割を占める4位の輸出先。日本は輸出額を25年に2兆円、30年に5兆円へ増やす目標を掲げており、台湾の規制緩和で輸出拡大が期待される。
 農水省によると、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県産の食品は、酒類を除いて台湾へ輸出できなかったが、緩和後は放射性物質検査報告書と産地証明書の添付を条件に輸出が可能となる見込み。キノコ類と野生鳥獣肉、コシアブラは、引き続き輸出できない。農水省は、台湾向けにコメやサツマイモなどの輸出が見込めるとみている。
 台湾は一方、岩手、宮城、山梨、静岡の各県産のキノコ類の輸入について、新たに放射性物質検査報告書の提出を求める方針も示した。
 5県産の食品をめぐり、台湾は16年の蔡英文政権発足後に禁輸解除に向けて動きだしたが、18年の住民投票で2年間の禁輸継続が決まり、議論が先送りとなっていた。その後、21年9月に環太平洋連携協定(TPP)への加入を申請、加入交渉入りの障害になるとみられる禁輸措置の緩和に踏み出した形だ。
 日本産食品に対する輸入停止措置が残っているのは、台湾のほか、中国、香港、韓国、マカオ。農水省は「あらゆる機会を捉えて早期撤廃を働き掛けていく」(幹部)と説明している。
KEY_WORD:FUKU1_: