[2022_01_22_03]「南海トラフ」の前兆か 未明の大分、宮崎を襲った震度5強 列島周辺で頻発する強い揺れ「すでに始まっているといってよい」識者(夕刊フジ2022年1月22日)
 
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「南海トラフ」の前兆か 未明の大分、宮崎を襲った震度5強 列島周辺で頻発する強い揺れ「すでに始まっているといってよい」識者

 22日午前1時8分ごろ、大分県と宮崎県で最大震度5強を観測する地震が発生した。震源地は日向灘で、震源の深さは45キロ、地震の規模はマグニチュード(M)6・6とされる。列島周辺で震度5強程度の強い揺れが頻発しているが、今回は南海トラフ巨大地震の想定震源域で起きた。専門家は、巨大地震へ地震活動が活発化していると指摘する。
 高知県や熊本県でも震度5弱を観測。その後も日向灘を震源とする地震が続いた。大分市内の80代女性が転倒し、骨折の疑いで搬送されたほか、80代男性も負傷。市内の複数の場所で水道管が破裂した。宮崎県内では4人が転倒するなど負傷。延岡市では街灯1本が折れ、高千穂町では積まれたブロックが崩れた。
 夕刊フジで「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」(毎週木曜)を連載する武蔵野学院大の島村英紀特任教授は「フィリピン海プレートが起こした地震で、震源がより浅く、マグニチュードが大きくなれば津波が起きる可能性もあった。南海トラフ地震も同様のメカニズムで発生する」と解説する。
 日向灘を震源とした震度5弱以上の地震は2000年以降、02年11月、06年3月、19年5月の3回発生した。16年4月には最大震度7を2度観測した熊本地震も記憶に新しい。
 今回の地震は南海トラフ巨大地震の想定震源域だったが、有識者を交えた「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の基準であるM6・8には達しておらず、臨時開催はしないという。
 ただ、日本に関係する太平洋プレートでは今年に入って、小笠原諸島で震度5強の地震(M6・1)があったほか、南太平洋のトンガの海底火山も噴火したばかりだ。
 災害史に詳しい立命館大環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授は「活発化する太平洋プレートに圧縮されたフィリピン海プレートの動きを注視すべきで、その中には首都圏も含まれる。小笠原の地震やトンガの噴火のほか、昨年来、トカラ列島や沖縄、台湾周辺でも地震が頻発しており、南海トラフ地震は始まりかけているといってもよい」との見方を示した。
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