[2022_01_29_03]実感のない津波注意報「命を守る行動を最優先にすべきだった」東日本大震災を経験した漁師の後悔(福島テレビ2022年1月29日)
 
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実感のない津波注意報「命を守る行動を最優先にすべきだった」東日本大震災を経験した漁師の後悔

 2022年1月26日、雪が舞った福島県相馬市・松川浦。
 海面から突き出た棒を支えに、海中の網では特産の青のりの養殖が行われている。
 この日も収穫を行っていたのが、祖父の代からノリ漁を営む佐藤裕巳さん。
 佐藤裕已さん:「トンガでの噴火があったっていうのはテレビで見てたんですが、字幕で『津波の心配はない』っていうことでそのままにしてました」当初、気象庁が発表した『被害の心配はない』との情報から、いつも通り就寝したが、事態は急変した。
 佐藤裕已さん:「サイレンが鳴りまして、それで何のサイレンだと驚いて。携帯電話を確認して、それからテレビをつけてみて、初めて津波注意報っていうのを知りました」

 2011年の東日本大震災で大津波に襲われた松川浦。
 海中のガレキや原発事故の影響で、全国有数の産地として100年以上の歴史を持つノリ漁は休止に追い込まれた。
 収穫と出荷を再開できたのが、7年後の2018年。
 2022年も最盛期を迎える春に向けて、準備を進めている中での津波注意報の発令だった。
 佐藤裕已さん:「私たちの船は小さな船なので、沖だしとかも出来ませんから。とにかく船については、もう諦めるしかないかなって思います」今回の火山噴火で、相馬に押し寄せた津波は50センチ。
 佐藤さんは自分の行動に【後悔】も感じていた。
 佐藤裕已さん:「息子たち夫婦には新生児がいましたので、新生児に対して夜中の避難っていうのは、これも危ないかなって思いまして」地震による津波ではなかったことで、家族への連絡を躊躇。
 『未知の現象』だっただけに、命を守る行動を最優先にすべきだったと感じている。
 佐藤裕已さん:「翌朝、高知県とか三陸沖での被害を見て、本当に避難しない避難させなかったのは反省しました。とにかく命、体を守ることを最優先に、今後も進めていきたいと思ってます」
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