[2024_07_23_01]再処理長期利用 経産相「エネ計画で具体化」(東奥日報2024年7月23日)
 
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再処理長期利用 経産相「エネ計画で具体化」

 22:12
 9月末までの事業開始を予定する使用済み核燃料中間貯蔵施設(青森県むつ市)を巡り、斎藤健経済産業相は23日に宮下宗一郎知事と会談し、最長50年保管後の核燃料搬出先として、日本原燃・再処理工場(六ケ所村)を想定した対応策を検討する意向を示した。同工場操業期間の目安とされる40年を超えた「安定的な長期利用」にも言及し、改定作業中の次期エネルギー基本計画で具体化を図る考えも明らかにした。
 中間貯蔵事業開始の前提となる安全協定に関し、議会や県民らとの質疑で、長期に及ぶ貯蔵後の搬出先が不明確との懸念が相次ぎ、「永久貯蔵にならないか」との声も出ていた。
 経産省で会談した宮下知事が核燃料搬出先の明確化を求めると、斎藤経産相は「六ケ所再処理工場を想定した場合の課題や対応策」の検討を表明。さらに六ケ所工場の長期利用に向け、技術面を含めた検討にも言及した。操業目安の40年では中間貯蔵の最長50年には届かないため「中間貯蔵の燃料をしっかり運び込むことを想定」(経産省関係者)。国がこれまで六ケ所工場の長期利用に踏み込んだことは「恐らくない」(同)という。
 これまで国は搬出先について、六ケ所工場の可能性に触れつつも「搬出時に稼働している再処理工場」と明言していなかった。
 斎藤経産相は長期利用を含め、2024年度中にも改定する新たなエネルギー基本計画に搬出先を盛り込む方針も新たに示した。当初は搬出先と目された六ケ所後継の「第2再処理工場」の記載は、東京電力福島第1原発事故を契機に国の計画から消えている。
 会談後、宮下知事は報道陣に「搬出先について明言があり、しかも基本計画との関係で論じてもらえることは大きい」と強調。搬出先について「思いっきり具体性が増した」と述べた。24日に面会する山本知也むつ市長の見解を聞いた上で安全協定締結の可否を最終判断する。
 中間貯蔵は使用済み核燃料の再利用に向け、国が進める核燃料サイクル政策の一環。再処理工場へ運ぶまでの中間的な役割を担う。
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