[2024_05_24_06]浜岡原発、議論深まらず 再稼働是非が争点なのに/静岡知事選、現場から(中日新聞2024年5月24日)
 
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浜岡原発、議論深まらず 再稼働是非が争点なのに/静岡知事選、現場から

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 26日投開票の知事選は、中部電力浜岡原発の再稼働の是非も争点となる。立地する御前崎市で何を語るか注目されるが、原発に言及しない候補者や、そもそも選挙戦で現地入りしない候補者もいる。過去の知事選でも再稼働の是非について明言を避ける候補者が多く、今回も議論は深まっていない。

 政党の公認や推薦を受ける3候補のうち唯一、再稼働反対を掲げる共産党公認の森大介氏(55)。「浜岡原発は南海トラフ巨大地震の想定震源域の真上にある世界一危険な原発。一日も早く廃炉にするべきだ」と、県内各地で市民に呼びかけている。
 しかし、これまで隣接する牧之原市などには足を運んだものの、「残念ながら日程の都合がついていないため」として、御前崎市では街頭演説していない。
 20日に初めて御前崎市で演説した無所属の鈴木康友氏(66)=立民、国民推薦=は、原発から約1キロほどの場所で産業振興や子育て支援などを訴えたが、原発には触れなかった。その後の取材に対し、「原子力規制委の判断を待って検討していきたい」と従来の考えを繰り返した。
 鈴木氏にとっては、推薦を受ける立民と国民の両党で原発政策に差異があるほか、支援する連合静岡傘下に中電労組などでつくる組織もあり、難しい立場に置かれているとみられる。
 無所属の大村慎一氏(60)=自民推薦=は13日に現地入りし、「安全性の確保が最重要」と強調。原発関連の雇用の確保と、災害対策のバランスを取った主張をした一方、自身の考えは明確にしなかった。
 応援に入った地元の市議からは「御前崎に原発があることを誇りに持ち、再稼働の環境整備をぜひやってほしい」と求められたが、大村氏から市議の発言への言及はなかった。
 本紙が浜岡原発の全面停止13年に合わせて5月に行ったアンケートによると、再稼働に「賛成」「反対」「その他」の選択肢から答えてもらい、森氏は反対、鈴木氏と大村氏はその他だった。
 川勝平太前知事は3選した2017年の知事選で、使用済み燃料の処理方法が確立されていないことなどを理由に「再稼働する状況にない」と主張したが、再稼働の是非は明言しなかった。ただ知事選直後の記者会見で、中電から再稼働の要請があっても同意しないとして、急に反対を表明したことがあった。(荒木正親、大岡彩也花)

 ◇知事選立候補者 (6)=届け出順

横山 正文(よこやま まさふみ) 56 諸新 政治団体代表
森 大介(もり だいすけ) 55 共新 党県委員長
鈴木 康友(すずき やすとも) 66 無新 (元)浜松市長立国
大村 慎一(おおむら しんいち) 60 無新 (元)副知事自
村上 猛(むらかみ たけし) 73 無新 アパート経営
浜中 都己(はまなか さとみ) 62 無新 コンサル会社社長
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