[2023_01_17_03]記事解説:廃棄物保管改善361億円 プール内、ずさん管理 東海再処理施設で試算(日本原子力研究開発機構2023年1月17日)
 
参照元
記事解説:廃棄物保管改善361億円 プール内、ずさん管理 東海再処理施設で試算

 
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                   令和 5 年 1 月 17 日
                   国立研究開発法人日本原子力研究開発機構


    件名:廃棄物保管改善361億円 プール内、ずさん管理 東海再処理施設で試算

    令和 5 年 1 月 15 日(日)共同通信配信
    令和 5 年 1 月 16 日(月)東京新聞3面 他

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│記事概要 │
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○ 東海再処理施設で、過去に発生した放射性廃棄物入りの容器がプール内に無秩序な状態で保管され、状況改善に361億円かかると機構が試算したことが分かった。遠隔操作で容器を取り出す装置や貯蔵施設の新設費用を算出した。

○ 機構は、取り出し方法次第で費用は抑えられるとしているが、国費から支出される。整然と保管していれば必要なかった作業に余分な費用がかかることになり、ずさんな管理のつけが国民負担となる。

○ 機構は1977〜91年、廃棄物を容器に入れ貯蔵庫のプールに落として入れた。計794個が横向きや反転した状態。容器に付いたワイヤがもつれたり、落下時の衝撃で変形したりしたものもある。容器取り出しに必要な設備は貯蔵庫にない。

○ こうした状態は、90年代に別の廃棄物容器に腐食が見つかった問題の総点検を通して表面化した。機構は「地震や津波に対する貯蔵庫の安全性は確認できているが、不規則な状態で山積みになっているのは好ましくない」として改善を検討。新たな貯蔵施設の建設費を191億円、容器をつかむアーム型装置を備えプールを覆う取り出し建屋の建設費を170億円と試算した。

○ 水中作業ロボットと浮袋を組み合わせて容器を引き上げる方法が可能になれば、費用低減が見込めるという。機構は取り出し方法の検討を続けている。

○ 取り出しは当初計画より10年程度遅れ、2030年代中ごろの開始を目指している。

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│機構の見解 │
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○ 記事の対象である東海再処理施設高放射性固体廃棄物貯蔵庫は、1970年代当時のフランスの設計で、廃棄物の貯蔵管理を目的に設計された施設として我が国の審査・認可を得て建設されたものであり、当時は、他国の類似施設においても、同様の方法でプールへの投入保管が一般的に行われておりました。放射能の閉じ込め性能、放射線の遮へいの能力を有する鉄筋コンクリート造の堅牢な貯蔵プール内に廃棄物は貯蔵されており、定期的にその貯蔵状態を確認する等、これまで適切に管理してきております。したがって、記事で言うところの「ずさん管理」には該当しません。

○ 一方、再処理施設の廃止措置を進めるにあたっては、廃棄物を円滑に取り出せるよう適切な管理を行うことが重要であり、1992年以降に発生した高放射性固体廃棄物と同様に整理して保管・管理できるよう、改善の取り組みを行ってまいります。

○ 今後さらに、安全を最優先に、地元を始めとした国民のご理解を得て、事業を適切に進めてまいる所存です。

以 上
KEY_WORD:東海再処理_廃棄物整頓に361億円_:TOUKAI_KAKU_: