[2022_03_30_01]<独自>福島第1処理水 海底工事、4月中旬着手へ(産経新聞2022年3月30日)
 
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<独自>福島第1処理水 海底工事、4月中旬着手へ

 東京電力福島第1原発の汚染水を浄化した処理水の海洋放出をめぐり、東電が原発の沖合約1キロで放出に使う海底トンネルの出口部分にあたる放水口の整備工事を、4月中旬ごろにも開始する方針を固めたことが30日、分かった。東電は令和5年春ごろの放出開始を目指している。トンネル整備は始点となる原発5、6号機東側の地上工事にとどまっており、海底での工事は初めてで、放出に向けた準備を本格化させる。
 東電によると、海底トンネルは直径約3メートルで、同原発5、6号機付近から約1キロに渡り海底の岩盤をくりぬいて整備。処理水はトンネルを通り、今回、整備が始まる放水口から、漁業権が設定されていない水域の海底に排出される。
 トンネル敷設をめぐっては、周辺海域で海底に支障物がないかを確認する磁気探査を実施。台船を使った海上ボーリングによる地質調査も行っており、いずれもトンネル整備の支障となる問題は確認されなかった。
 トンネル整備は、始点となる5、6号機東側で、トンネルの入り口となる立て坑(縦穴)掘削の地上工事にとどまっていた。
 処理水は多核種除去設備(ALPS)でトリチウムを除く大半の放射性物質を浄化済み。放出前に海水で100倍以上に希釈し、1リットル当たりに含まれるトリチウムの濃度を国の排出基準(6万ベクレル)の40分の1程度である1500ベクレル未満に薄めて排水するとしている。
 放出について地元の漁業関係者らから十分な理解を得られていないが、東電は、放出による周辺海域での被曝(ひばく)線量は国や国際機関の安全基準を大幅に下回ると推定。放射線が周辺の住民や環境に与える影響は「極めて軽微」とする評価結果を発表している。
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