[2022_02_25_09]核融合炉冷却材の液体金属、大量合成に成功(東奥日報2022年2月25日)
 
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核融合炉冷却材の液体金属、大量合成に成功

 東京工業大学と横浜国立大学、量子科学技術研究開発機構(量研)は24日、核融合炉の主要装置「ブランケット」の冷却材となる、高純度の液体リチウム鉛合金の大量合成に成功したと発表した。ブランケットの高性能化により、エネルギー生産の効率化につながる可能性があるという。
 ブランケットは、核融合で発生する熱を取り出し、中性子をリチウムと反応させ燃料となる三重水素(トリチウム)を増殖する役割がある。量研は、冷却材に水を使用する「水冷却固体増殖方式」のブランケットの開発を進めている。
 両大学は将来を見据え、液体金属を冷却材に使えないか研究。量研六ケ所研究所(青森県六ケ所村)と共に、比重の違う2種類の金属をうまくかき混ぜる装置を開発し、配合比率や温度といった最適条件も突き止めた。一度に合成できる量も大幅に増やした。
 量研などによると、冷却材に液体金属を使うことで、発電や燃料増殖の効率化が見込めるという。プラントに使用する、液体金属でも腐食しない特殊な合金も同時に開発した。
 高温となる液体金属は、水素製造プラントの熱源への活用が見込めるといい、六ケ所研の野澤貴史グループリーダーは「カーボンニュートラル社会の実現にもつながる新技術」と話している。
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