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[2025_01_16_07]LNG並み低炭素・コスト狙う…Jパワー、「石炭火力効率化」計画の全容(日刊工業新聞2025年1月16日) | ![]() |
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参照元
04:00 長崎でCO2回収貯留と複合 Jパワーは酸素吹き石炭ガス化設備などを追加して石炭火力発電を高効率化する「GENESIS松島計画」を通じ、液化天然ガス(LNG)火力並みの低炭素化とコストの実現に道筋を付ける。二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)を組み合わせて目指していく。実現すれば、脱炭素移行期の選択肢になり得る。 Jパワーはこれまで、中国電力との大崎クールジェンプロジェクト(広島県大崎上島町)で酸素吹き石炭ガス化複合発電を実証してきた。従来の空気吹き石炭ガス化複合発電より、高効率な発電やCO2回収を期待できる。その初の商用機が、2028年度に松島火力発電所(長崎県西海市)で稼働を目指すGENESIS松島計画だ。 具体的には石炭に酸素を加えて発生させた可燃性ガスで発電し、その排熱を既存の超臨界微粉炭火力発電に再利用して2段階で発電する。発電効率を高めて発電量当たりのCO2排出量を減らし、さらに将来的にはCCSを組み合わせて実際の排出も減らす。可燃性ガスに含まれる水素は別の用途に利用できる可能性もある。 コスト面では、基本的にLNGと石炭の値差をCO2排出削減の投資に充てる。LNG火力並みのコスト実現のハードルは高いが、松島で最大限のコスト低減努力を行い、道筋を付けたい考えだ。 Jパワーの菅野等社長は「石炭のCO2排出量をLNG並みに抑え、コスト面もLNGと同程度まで落とせれば、石炭がトランジション火力の重要な選択肢の一つになる。これを目指していく」とする。 石炭火力発電はCO2排出量が多く世界で削減の動きがあるが、燃料の調達や貯蔵しやすさに利点がある。一方、先進国のガス火力投資拡大のあおりを受け、新興国ではガス火力への投資が難しくなると予想される。低炭素な石炭火力発電が実現すれば、東南アジアなど新興国の低炭素化に貢献できると期待される。 |
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KEY_WORD:エネルギー政策_: | ![]() |
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