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[2025_01_10_11]恐山、岩木山、八甲田、十和田含む111カ所 活火山被害減へ研究強化 政府専門家「まず現状把握」(東奥日報2025年1月10日) | ![]() |
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04:00 全国に111ある活火山の被害軽減に向け、政府の火山調査研究推進本部(火山本部)が、観測や研究の強化を進める。計63人の死者・行方不明者が出た2014年の御嶽山(長野、岐阜両県)噴火がきっかけ。火山の状態を把握し、将来的には噴火の時期や規模などの予測も目指す。ただ火山ごとに事情は異なり、実用的な噴火予測には課題が多い。専門家は「まずは現状を把握し、切迫性を評価することが当面の目標」と指摘する。 御嶽山では14年9月10〜11日、火山性地震を計137回観測し、気象庁は「火山解説情報」を出した。その時点で地殻変動は確認されず、噴火警戒レベルは据え置いた。約2週間後に噴火し登山者を噴石が襲った。 火山本部に置かれた火山調査委員会の清水洋委員長(九州大名誉教授)は、当時の知見や観測情報では、警戒レベル据え置きもやむを得なかったとしつつ「危機感を持って監視を強化することはできた。次も同じ対応では許されない」と話す。 御嶽山は、地下水が加熱され岩石とともに噴き出す水蒸気噴火をした。マグマ噴火と比べ、地殻変動やガスの変化といった兆候を捉えにくい。 水蒸気噴火は@火山深部から熱水が上昇A浅部の粘土層がふたとなり流路を閉塞B粘土層が高まった圧力に耐えられなくなり破壊C水蒸気が一気に噴出1といった仕組みが想定されている。 東京科学大などが草津白根山(群馬、長野両県)の地下を調べると、北側の「白根山」の浅部に粘土層と、熱水貯留域と思われる構造を確認できた。一方、南側の「本白根山」の浅部には、粘土層や貯留域がほとんど見られなかった。研究から、深さ1キロ前後に岩石の割れ目があり、過去に開閉したことが判明。18年の水蒸気噴火でも、深さ2キロから熱水が割れ目を通って一気に噴き出たとみられる。 寺田暁彦・東京科学大准教授(火山物理学)は「水蒸気噴火のきっかけは火山により異なる。実用的な予測には、火山ごとに有効な観測項目を探す必要がある」と話す。 火山本部は24年8月、今後10年間の研究の要点をまとめた。観測体制を整備し、マグマ噴火を含め、前兆や影響範囲を把握する研究に取り組む。24年9月には調査委が、本県の「恐山」「岩木山」「八甲田山」「十和田」を含む全国111活火山の状態を初評価した。岩手山(岩手県)や桜島(鹿児島県)など、過去1年間に噴火したり情報が不足したりする8カ所を重点評価する火山に選んだ。 本部発足を受け、火山学者でつくる「火山噴火予知連絡会」は24年11月、半世紀に及ぶ活動を終えた。最後の会長となった清水さんは「火山学は進歩したが、社会が期待するような噴火予測はまだ不可能。火山本部に引き継がれ、研究が進められるだろう」と語った。 |
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KEY_WORD:火山_:KISOONTAKE_: | ![]() |
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