| [2026_02_19_10]前例踏襲、不正断てず 東通原発 東北電社長ら改善報告 役員報酬20%自主返上(東奥日報2026年2月19日) |
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04:00 東通原発(東通村)の監視装置で発覚した性能試験の不正を巡り、東北電力の石山一弘社長は18日、県に対し検証結果や19項目の改善措置を報告した。架空記録が作成された2018年度以降、担当者や管理職は何度も入れ替わったが不正を断ち切れず「業務の前例踏襲で(不正に)気がつかなかった」と釈明。責任を取り、自らを含む役員6人の月額報酬20%を2カ月、自主返上すると公表した。 東北電が取りまとめた報告書によると、24年度までの7年間で侵入検知センサーやカメラ、金属探知機、爆発物検知器といった監視装置で、性能試験や保守点検を行っていないにもかかわらず、発電所員が架空の記録を作るなどした。 不正を始めた担当者は、試験を受け持った17年度に業務の負荷を過大に感じ、一部の試験は必要性に疑念を抱いたことから「業務効率化が目的」として試験を不正に省略したという。後任に引き継がれ、24年度までの7年間で関わった所員は延べ17人(担当者7人、管理職10人)に上る。 報告書は不正を招いた背景にある要因として「前例踏襲」を強調。試験対象の設備リストを一部未作成で、管理職は試験に立ち合わないなど現場の実態を把握してこなかった。東北電の聞き取りに、所員の一部は不正行為に疑問を持ったが「前任者がやっていたので、いいのだろう」と思い込んだという。 東北電は改善措置として、石山社長ら経営層と所員の定期的な対話、本店原子力部による現場観察での実態把握ーなどを策定。核物質防護に携わる管理職2人を増員し、専任者の育成にも注力する。石山社長は県庁で小谷知也副知事に対し「核物質防護設備の試験などの重要性に対する認識が(担当部署で)不足していた」と述べ、社員教育に力を入れると説明した。 役員月額報酬の返上は石山社長のほか、樋口康二郎会長、小笠原和徳東通原発所長らが対象。不正に関わった社員についても「厳正に対処していくつもり」(石山社長)とした。 東北電は18日、東通村役場でも説明。畑中稔朗村長は「忘れることができないほど重大な事案。改善策を講じ、村議会を含めて住民の信頼回復に努めてほしい」と強く求めた。 東北電は同日、報告書を原子力規制庁に提出した。(佐々木大輔、目時壮大) 東北電社長 一間一答 再発防止へ「襟正す」 東通原発(東通村)の試験不正に関して取りまとめた改善報告書を巡り、東北電力の石山一弘社長が県庁で記者団の取材に応じた。主なやりとりは次の通り。 −不正はなぜ起きたか。 「三つの根本原因をまとめたが、疑問を持つなどの『問い直す意識』の弱さが一番大きい。管理職や幹部、本店もそうだが、『社員への信頼』の悪い部分が出てしまった。信頼するからこそ、逆にしっかりと確認をするという意識の植え付けもしないといけない」 −核物質防護に対する認識の甘さが出たのか。 「秘匿性の高い業務で、限られた人だけが関わっており、周りのチェック機能が弱かったと感じる」…中部電力浜岡原発(静岡県)の耐震データ不正など、業界で不正が相次ぐ。 「(東通の)事象は原子力事業に対する信頼を損ねる重大な事案。自ら襟を正し、原子力のみならず全社的な問題として、再発防止に向けた対策を進める」 (まとめ・佐々木大輔) |
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