| [2026_01_25_04]【1月25日付社説】柏崎刈羽原発/安全優先の姿勢が見られぬ(福島民友2026年1月25日) |
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08:10 原発を安全に運用する適格性と、福島第1原発の廃炉を完遂する能力のいずれもを疑わせるのに十分な失態だ。 東京電力が再稼働直後に起きた制御棒を巡るトラブルの原因調査のため、柏崎刈羽原発6号機(新潟県)の原子炉を停止させた。出力を上げるため原子炉から制御棒を引き抜く作業中に異常を知らせる警報が鳴り、作業を中断した。再稼働から約5時間25分後だった。東電は今後の見通しについて「申し上げられる段階にない」としている。 同原発の稼働は、福島第1原発事故後の2012年の定期検査のための運転停止から14年ぶりだった。東電は十分な準備をした上で原発事故以降初めての再稼働に臨んだのではなかったか。 新潟県が県内全30市町村を対象とする調査では、再稼働の条件は整っていないとする回答が60%に上り、再稼働を巡る賛否は拮抗(きっこう)していた。再稼働を不安視する声があるなかで最初期の段階のつまずきは東電の管理能力の欠如を浮き彫りにし、住民の不安、不信をより強めるものだ。 警報を巡っては別の不具合があったにもかかわらず、規制委に報告した上で、わずか1日遅らせたのみで再稼働に踏み切った。東電の焦りや自己都合によるものにほかならず、安全を重視する姿勢がうかがえない。この不具合の段階で、ほかにもトラブル発生の恐れが残っていないかを徹底的に確認すべきだった。 東電は深刻な原発事故を起こした当事者であり、ほかの事業者とは原発を稼働させることの重さが大きく異なる。不具合が見つかっていながら、間を置かずに再稼働を認めた規制委の判断は安全を十分に担保したとは言えず、拙速の非難を免れない。規制当局は、東電の再稼働について厳格な対応を徹底すべきだ。 第1原発の廃炉にかかる費用は当初の見込みから倍増しており、東電の負担分は今後もさらに増える公算が大きい。このため、東電は原発の運転再開などによる収益改善を目指していた。しかし、東電の経営を安定させるという目的は、安全をないがしろにしたまま原発を再稼働することの免罪符とはならない。 通常の原発すら満足に稼働できない事業者に、経営力を高め、廃炉を順調に進めることができるのかは疑問だ。重大局面でのトラブルを未然に防ぐことのできない組織風土こそが、再稼働と廃炉を妨げる要因であるのを東電は猛省すべきだ。 |
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