| [2026_01_23_17]<社説>柏崎刈羽停止 東電への不安拍車かかる(北海道新聞2026年1月23日) |
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04:00 東京電力はきのう、前日に再稼働させたばかりの柏崎刈羽原発6号機(新潟県)について原子炉の運転を停止すると発表した。再稼働から5時間余りでのトラブルだ。 燃料の核分裂反応を抑える制御棒を引き抜く作業中に異常を知らせる警報が鳴り、部品を交換しても改善しなかった。原子炉は安定し放射性物質の漏えいはないとしているが、原因特定に時間がかかるという。 東電は会見で「徹底的に調査する必要がある」とし、何日かかるか全く言えないとした。 安全性に関わる不祥事が相次ぐ東電で、またトラブルが発生した。原発を運転する資格はあるのか。改めて疑問である。 2011年に福島第1原発事故を起こした東電が原発を動かすのは約14年ぶりだ。柏崎刈羽は「原発の最大限活用」へと転換した政府のエネルギー政策にとっても象徴的な原発である。 何よりも重要なのは二度と原発事故を起こさないことだ。東電は問題の一つ一つを徹底的に検証し、あらゆる側面から安全性を追求しなければならない。 東電は8兆円を超す費用がかかるとされる福島第1原発の廃炉や、被災者への賠償など重い責任を負う。経営再建に向けては首都圏への電力供給を担い、1基で年1千億円の収支改善を見込める柏崎刈羽原発の再稼働が不可欠としてきた。 柏崎刈羽の6、7号機は17年に原子力規制委員会の再稼働審査に合格した。ところが21年にIDカードの不正利用などテロ対策の重大な不備が発覚し、規制委から事実上の運転禁止命令を出された。23年には社員が安全対策工事の書類を紛失した。 再稼働の地元同意を巡り新潟県が行った県民の意識調査で、東電の原発運転に7割が「心配だ」と答えたのも当然だろう。 さらに再稼働前の先週、制御棒を引き抜く試験で警報が作動しなかった。制御棒205本のうち88本は1996年の運転開始から設定ミスが続いていた。運転員の約6割が原発の運転経験がない中、トラブルの連続は懸念に拍車をかけるばかりだ。 規制委も存在意義が問われよう。新規制基準について「世界で最も厳しい安全基準」とするが、柏崎刈羽は再稼働審査に合格後も不祥事や不具合が続く。 中部電力が浜岡原発(静岡県)の再稼働審査で耐震設計のデータを不正操作した問題では、外部通報まで不正を見抜けなかった。26日に同社を立ち入り検査するが、他の原発のこれまでの審査についても不正がないか本格的に調査すべきだ。 |
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