| [2026_01_21_19]【1月21日付社説】柏崎刈羽の再稼働 異常あれば必ず立ち止まれ(福島民友2026年1月21日) |
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08:00 東京電力が、新潟県の柏崎刈羽原発6号機について、機器のトラブルの影響で予定していた20日の再稼働を延期した。福島第1原発事故の当事者として、東電には厳しい目が注がれている。現状を過小評価せず、日程ありきではなく安全を最優先にした対応が求められる。 トラブルがあったのは、原子炉の出力を調整するブレーキのような役割を果たす「制御棒」という重要装置だ。地震などの緊急時には、一気に炉心に挿入することで核分裂反応を止める。逆に原子炉の起動時には、挿入された制御棒を段階的に引き抜くことで核分裂反応を促す。 6号機は205本の制御棒を原子炉に挿入し調整するが、近い位置の複数の制御棒を引き抜くと燃料の核分裂反応が進む。そのため離れた位置の制御棒2本をペアに設定し、1本を引き抜いた時にペアでない制御棒を操作すると警報が鳴る対策を取っていた。再起動に際し確認したところ、ペアの設定にミスがあり警報が正常に作動しないことが判明した。 東電によれば88のペアで設定ミスがあり、しかも1996年11月の6号機営業運転開始時から続いていた。責任者は「運転員の手順に間違いはなく、たまたまエラーを見つけてくれた」とするが、認識が甘い。30年にわたりミスに気付かず放置してきたチェック体制の根本的な欠陥を猛省し、安全対策を再確認しなければならない。 改善状況の確認などを経て問題ないと判断すれば、制御棒の引き抜きが行われ再稼働となる見通しだ。再稼働の後には、原子炉を起動したことにより生じる高温、高圧の環境で運転上重要な機器の性能を確認するなど、より厳密な安全性の担保が求められる段階に入る。 東電の当初の計画では再稼働の後、26日ごろには発電を開始して首都圏に送電する予定だった。東電には、自社の都合を優先しデータ改ざんやトラブル隠しに手を染めてきた過去がある。作業のそれぞれの段階で少しでも異常があった場合には、必ず立ち止まって情報公開し、万全な対策を講じることを徹底してもらいたい。 柏崎刈羽原発は、東電が原発事故で信用を失い、テロ対策の不備もあったことで14年間稼働していなかった。運転を経験した作業員の数が限られていることもあり、新潟県の県民意識調査では東電の原発運営を心配する声が多い。安全に関わる分野の訓練を繰り返して対応能力を高め、信頼を構築することを肝に銘じてほしい。 |
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