| [2026_01_08_13]<社説>浜岡原発データ捏造 不正招く根本政策改めよ(琉球新聞2026年1月8日) |
|
参照元
04:00 なぜ、こうも原発をめぐって不正行為が続くのか。 中部電力は浜岡原発3、4号機(静岡県御前崎市)の再稼働審査で、耐震設計に関するデータを不正に操作していたことが明らかになった。再稼働の前提となる原子力規制委員会の新規制基準適合性審査で、想定する揺れの「基準地震動」を意図的に小さく評価していたというのだ。原子力規制委の山中伸介委員長は「明らかに捏(ねつ)造(ぞう)。安全規則に対する暴挙だ」と断じた。 原発の存否に直結する安全性という根幹の問題で、データ改ざんという不正行為があったことを深刻に受け止めなければならない。浜岡原発では昨年11月、安全対策工事に関する不祥事が公になっている。不正が横行するのは企業体質なのかと疑わざるを得ない。今回の問題発覚は規制委への外部通報がきっかけだった。自浄機能も働いていなかったことになる。 中部電は今回の審査会合で、「基準地震動」を策定する際に、計算条件が違う20組の地震動の中から平均に最も近い波を「代表波」に選ぶと規制委に説明していた。だが実際には、意図的に選んだ波が平均に見えるようにデータを操作していた。2018年以前から同様の対応がとられていたとみられている。 県民や国民の信頼を踏みにじる行為だ。これでは再稼働など到底おぼつかない。原子力規制委の審査停止を続けるのは当然のことだ。信頼関係がなくなった中では、再申請する資格すらないと言わざるを得ない。一度解体するほかないのではないか。 原発の運営をめぐってはこれまでに、記録の改ざんやトラブルの隠(いん)蔽(ぺい)、安全対策工事やセキュリティー対策の不備などが全国で相次いでいる。 先月、新潟県知事が県議会の承認を踏まえて再稼働を容認した東京電力の柏崎(かしわざき)刈(かり)羽(わ)原発では昨年6月、テロ対策についての秘密文書を東電社員が不適切に持ち出していたことが発覚した。同原発は21年、ずさんな核物質防護の態勢でテロ対策が不十分な状態だったことから事実上の運転禁止命令を受けた。 原発の安全性を議論する以前に、原発を運用する人間の側の不正や不備が多すぎないか。安全を揺るがす事態は中部電だけの問題ではない。 原発を運用する側による意図的な捏造を規制委が審査で見抜けなかったことも見逃せない。これまでの他の原発における審査で見落としがなかったのかも疑ってしまう。審査の根幹をも揺るがす事態と言わざるを得ない。 政府は昨年、原発を最大限活用する政策に回帰するエネルギー基本計画に改定した。11年の東電福島原発事故を受けて記した「原発依存度低減」の表現を削除した。なにがなんでも「再稼働ありき」の政府の強引な姿勢が、企業側の不正行為を誘引している可能性すらある。不正を招く根本の政策を改めるしかない。 |
| |
KEY_WORD:浜岡原発-地震評価-不正手法_:HAMAOKA_: |