| [2026_01_24_07]「13兆2785億160万円」フランスEPR2計画6基の値段 大規模原発計画に巨額の国費 原子力エネルギー基盤の「絶望的な穴埋め」 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ2026年1月24日) |
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04:00 ◎原発は安定産業などではない 「原子力技術は、既に産業として確立し、既に安定的な産業になっている。」 そうだれもが思っていたはずだ。しかし実態は巨額の建設資金を国家が支援しなければ原発1基立てられない。そんな現実が世界で見られている。 中国は、もともとが全て国策であるため、建設費用の比較はできない。ロシアの原発は建設費用が公表されていない。 欧米諸国では、費用の多くは民間電力会社の投資なので、費用対効果すなわち「いくらで電気を売れるか」が投資回収可能かどうかを見極めることになる。 その中で、米国ではボーグル原発3、4号機(いずれも加圧水型軽水炉125万kw)の建設費用が6兆円規模になり、電気料金が跳ね上がり住民から強く非難されたと報道されている。 ◎高騰する原発の維持・建設費用 日本では、原発の再稼働に向けた安全対策費の膨張が続いている。 東京電力・柏崎刈羽原発では約1.2兆円(2019年時点の見積もり)、日本原子力発電・東海第二原発では約2,350億円といった巨額の費用が投入されている。 新規建設については、国内で長年実績がないため確実なデータは存在しない。 しかし、数十年前の建設当時に比べ、福島第一原発事故を受けた安全基準の厳格化により、現在の建設コストは当時の数倍に達すると推計される。 実際に海外の最新事例を見ると、フランスが開発したEPR(欧州加圧水型軽水炉)の建設費は、度重なる工期遅延と設計変更を経て、今や1基あたり2兆円から3兆円規模にまで高騰している。 かつての「安価な電源」といった神話は崩れ、この「1基2兆円」という数字が、世界的な最新鋭原発の事実上の標準価格(デファクトスタンダード)となりつつある。 ◎フランスが新規原発の建設計画を明らかに フランスは現在、次世代原発「EPR2」をまず6基建設する計画を進めている。この建設費用の少なくとも半分を政府が直接支援することを決定したが、その予算は総額728億ユーロ、日本円にして約13兆3,000億円にものぼる。1基あたり2兆円を優に超える計算だ。 さらに政府は8基の追加計画も示しており、これにはさらに16兆円規模の投資が必要となる。最初の6基はパンリー、グラブリーヌ、ビュジェイの各地点に建設される予定だ。 ◎フランスは原発拡大政策をとっているのか これほどの巨額投資を目にすると、フランスが原発の「拡大路線」に舵を切ったかのように見える。 しかし、現実は異なる。現在、フランスは57基、6,300万kWの原発を保有しているが、そのうち35基が稼働40年を超えており、その出力合計は3,300万kWに達する。 対して、出力160万kWのEPR2を計14基建設したとしても、合計出力は2,240万kWにすぎない。 つまり、30兆円近い国富を投じて14基を新設したとしても、老朽化で失われる電力の半分強しか埋められないのである。 フランスの原発政策の本質は「拡大」ではなく、崩壊しつつある原子力エネルギー基盤の「絶望的な穴埋め」に他ならない。 |
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