| [2026_01_19_18]高市政権と核武装 「核シェアリング」は「米国の前線機能を肩代わりするだけ」 上岡直見(環境経済研究所) (たんぽぽ2026年1月19日) |
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04:00 ◎ 2025年12月に高市政権の官邸関係者(氏名不詳)が「核を持つべきだと思っている」と記者団に述べ、日本の核兵器保有が必要だとの認識を示したことが伝えられた。 ただし日本の核兵器保有論はこれが初めてではなく、早くも戦後20年ほどの1968年から安全保障調査会に登場しその後も公式・非公式に繰り返し登場している。 ◎ メディアやネット上で「核武装」と表現されているが、その具体的な内容が何なのか冷静に考える必要がある。日本が核戦力を保有するとすればいくつかのメニューが考えられる。 (1)ゼロから自主開発 (2)米国その他から技術を提供してもらう (3)核シェアリング などであるが、(1)は非現実的である。時おり「日本は技術があるから半年か一年で核武装できる」「あとはボルトを締めるだけ」などという説が推進側・反対側双方にみられるがナンセンスである。 国内に原発から出てきたプルトニウムが核弾頭にして何千発分あるからといって、それを筒に詰めれば核弾頭ができるわけではなく、高度な技術的過程が必要である。 それ以前に核拡散防止条約(NPT)からの脱退が必要であり、この点からも非現実的である。 特に米国がそのようなことを認めるはずがない。 ◎ それでは(2)の米国その他からの技術提供であるが、これも非現実的である。 現在では使いものにならない広島型・長崎型原爆でさえ、その詳細は極秘であり、たとえ友好国(本心では日本を信用していないだろう)でも情報提供するなど考えられない。 国外に出せば必ず情報漏洩の可能性があるから、とりわけ現状の最新情報を提供するとは考えられない。この場合でもNPTからの脱退が必要である。 ◎ 現実に可能性があるのは(3)の核シェアリングである。 核シェアリングとは、冷戦時代に旧ソ連を想定して欧州で導入された方法で、欧州の5〜7か国(時期により異なる)の軍が米国の戦術核兵器を航空機やミサイルで運用する方法である。 ただしこれらは米国の管理下にあり米国からのパスコードを受け取らなければ使用できない。 要するに米国の前線機能を肩代わりするだけである。 これは「日本が核武装」とはいえないし「核保有」ともいえない。 ◎ ここで高市政権との関連を考えると、高市首相自身が核兵器にどのていど知識があるか、米国とどのていど連携・密約があるかわからないが、いずれにしても(1)(2)は非現実的という前提で、(3)の核シェアリングを想定したものと推定される。 これは高市首相が以前から非核三原則のうち「持ち込ませず」の改訂に積極的であることと符合する。 高市政権と核武装の議論に際しては、全般的な反核・平和論よりも、論点を集中させた議論が必要ではないだろうか。 |
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KEY_WORD:非核三原則-改訂問題_: |