[2026_01_14_11]【声明】中部電力が基準地震動の策定における不正発覚 審査上の不備や説明の誤りではない 浜岡原発を廃炉とし原子力から撤退せよ 原発震災が再発してからでは遅いのです 中部電力は原子力事業からの即時撤退を たんぽぽ舎(たんぽぽ2026年1月14日)
 
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【声明】中部電力が基準地震動の策定における不正発覚 審査上の不備や説明の誤りではない 浜岡原発を廃炉とし原子力から撤退せよ 原発震災が再発してからでは遅いのです 中部電力は原子力事業からの即時撤退を たんぽぽ舎

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 1.基準地震動の策定に不正

 中部電力浜岡原発の耐震上もっとも重要な前提条件である「基準地震動」の策定において規制委員会(規制委)の審査で説明した方法と異なる手法を用い、結果的に地震動を過小評価するような「代表波」を意図的に選定していたことが判明しました。

 具体的に何をしたのかというと、規制委への説明において、統計的グリーン関数法により「20組の地震動」を計算し、平均に最も近い波を代表波として選ぶべきところ、実際には、2018年以前については大量に計算している地震の波形を、20組と代表波のセットを多数作成し、その中から自社にとって都合のよいセットを選択していました。

 さらに2018年頃以降では、先に代表波を決め、それが平均に近く見えるように残り19波を後から調整していました。
 これは単なる「説明不足」や「手続きミス」などではなく、評価結果を意図的に誘導するために、実際に計算していた地震データの評価手法を逸脱し結果を誘導したこと、つまり捏造し改ざんする行為です。
 規制委は、このように策定された基準地震動「1200ガル」について、2018年当時、審査を進める前提として妥当であると判断していました。

 2.審査上の不備や説明の誤りではありません

 これは、原子力安全の根拠となる科学的評価を意図的に歪め、規制当局と社会全体を欺いてきた行為であり、日本の原子力事業が安全を担保する能力を失っていることを示す、決定的な事例です。

 基準地震動は、原発の耐震設計、設備の健全性評価、重大事故時の安全余裕のすべてを決定する、原子力安全の基盤に位置する条件です。その策定過程で、結果を先に定め、それに合うように地震動を作り替える行為は、科学でも技術でもなく、意図的な詐欺行為そのものです。

 このような評価に基づく原発は、当然ながら安全ではなく、たまたま起きる地震が想定内に収まることにかける、単なるギャンブルです。
 中部電力は、この問題を一時的な逸脱や個別担当者の判断として説明しようとしています。

 しかし、実際には長期間にわたり、組織的・継続的に行われてきた行為であり、「新規制基準適合性審査を通ること」を最優先に、安全評価を操作する企業体質が露呈しました。
 この時点で中部電力は、原子力という極めて巨大な危険性を伴う事業を担う資格は、すでに失われています。

 3.浜岡原発に留まる問題ではありません

 日本の原子力事業はこれまで、点検記録改ざん、トラブル隠し、虚偽報告、説明と異なる運用などを繰り返してきました。
 そのたびに「安全上の影響はない」「再発防止に努める」と説明されてきましたが、不祥事は形を変えて何度も繰り返されてきました。
 今回の浜岡原発の問題は、その延長線上にあるものであり、例外ではなく必然です。

 こうした不祥事が繰り返される背景には、「原子力は高度な専門性による外部検証が困難であるとする事業者側の驕り」「規制が事業者提出資料に過度に依存しているため、事業者の提出した資料では見抜けない規制側の構造的欠陥」「審査に通ることが安全そのものと誤認されてきた制度の上に構築された原発推進政策」があります。
 この構造のもとでは、安全は常に後景に退き、「不都合な事実」は「調整や隠蔽」により、日の目を見ずに原発の内部に蓄積されているという巨大なリスクが、この制度により事実上容認されています。

 これが深刻なのは、規制委がこの捏造を自らの審査で見抜けなかったという事実です。
 今回のような内部告発がなければ、虚偽の耐震評価は科学的に妥当なものとして扱われ、原発再稼働に利用されていた可能性が極めて高いのです。

 これは、現在の原子力規制が、事業者の「誠実さ」に依存しなければ成立しない、きわめて脆弱な制度であることを示しています。
 このような状況下で、問題を浜岡原発一地点に限定し、「個別事案」として処理しようとすることは、現実から目を背ける行為であり、原子力事業が同じ制度、同じ審査方式、同じ企業文化のもとで進められているなかでは、他の原子力事業者は健全であると考える合理的根拠はありません。

 4.原発の危険性を直視しよう

 中部電力は、原子力事業者としての資格を完全に失っています。
 もはや求められるのは再発防止策ではなく、原子力事業からの撤退です。

 国および規制委には、以下のように求めます。

 イ.浜岡原発を即時に審査不合格とし、再稼働の可能性を完全に排除すること
 ロ.中部電力に対し、原子力事業からの計画的・不可逆的撤退を求めること
 ハ.すべての原子力事業者に対しては、耐震評価・安全評価を全面的に再検証するよう強制するとともに、すべての原発を停止させること
 ニ.原子力事業者の組織体質そのものを、事業継続の前提条件として再審査する制度を構築すること

 原子力安全は、信頼や善意の上には成り立ちません。
 科学を装った虚偽、繰り返される不祥事、そしてそれを見抜けない規制のもとで、原子力事業を継続する正当性は、すでに失われています。
 浜岡原発で起きたことは、警告ではありません。
 日本の原子力事業が、もはや社会に対して説明責任も安全確保能力も果たせなくなっているという、最終的な結論です。
 中部電力に対しては、原子力事業からの即時撤退を求めるとともに、日本の原子力政策そのものの大転換を強く要求します。
 原発震災が再発してからでは遅いのです。
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