[2024_04_09_02]「反対方向に動き出した」隆起した能登半島が一転“沈降” 長期間続く「余効変動」影響は関東まで(TBS_北陸放送2024年4月9日)
 
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「反対方向に動き出した」隆起した能登半島が一転“沈降” 長期間続く「余効変動」影響は関東まで

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 1月1日に発生した能登半島地震で、大きく隆起した能登半島周辺で、今度は地盤が一転、沈降していることが分かりました。政府の地震調査委員会は、地震のあとに地盤がゆっくりと動き続ける「余効変動」だとして、今後の推移を注意深く見守ることにしています。

 「不思議なことに反対方向に動き出した」影響は関東まで

 1月1日に発生した地震では、能登半島周辺の地盤が大きく持ち上げられ、国土地理院の解析結果では、輪島市北西部で最大およそ4メートルの隆起が確認されました。
 しかし、地震後に人工衛星を使って地殻変動を精密に調べた結果、能登半島周辺では一転、地盤が最大で5センチ沈降したことが分かりました。こうした地震のあとに地盤が動き続ける地殻変動は「余効変動」と呼ばれ、北陸から関東にかけて、広い範囲で長時間続く可能性があります。
 地震調査委員会の平田直委員長は「非常に不思議なことに能登半島では反対の方向に動き始めていて、最初に隆起した所が沈降している。地殻変動そのものは被害を及ぼさないが、いろいろなデータに影響を及ぼすので、正しく理解することが必要だ」としています。

 能登半島北東沖の震源の深さ 従来よりも“浅い”可能性

 能登半島北東部では、2020年12月ごろから活発な地震活動が続いていましたが、今年1月の地震後は震源域が能登半島の西側から佐渡の沖合にかけての長さおよそ150キロの領域に広がっています。
 このうち、佐渡に近い能登半島の北東の沖合は、震源が他の領域と比べてより深い位置にあるとされていましたが、海底に設置した地震計のデータを解析した結果、他の領域と同じくらいの深さ15キロから20キロ前後だったことが分かってきました。
 詳細な震源の位置を解析することは、能登半島地震をもたらした断層を特定する重要な手がかりとなります。
 平田委員長は「これまで観測点が陸上にしかないということで、海域の震源の深さがやや深めになっていた可能性がある」と分析していて、今後、研究が進むことでより正確な震源分布が得られると期待しています。

 今後も強い揺れ・津波に注意

 能登半島周辺では、1月1日の地震後、徐々に地震の回数が少なくなっていますが、震度1以上の地震が3月の1か月間で70回観測されるなど、依然として活発な状態が続いています。一方、2004年の新潟県中越地震や、2016年の熊本地震などでは、地震から半年近く経過した後に規模の大きな地震が発生した例もあります。
 平田委員長は「全体的に落ち着いてきているように見えても、やや大きい地震が起きる例がある。また大きな揺れや高い津波が発生する可能性がある」として、引き続き地震に注意するよう呼びかけています。
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