[2024_03_02_04]能登震源域で断層活動、M7なお懸念 新潟沿岸で津波も(日経新聞2024年3月2日)
 
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能登震源域で断層活動、M7なお懸念 新潟沿岸で津波も

 19:48
 能登半島地震の震源域周辺に、あまり動いていない断層や、ひずみのたまった断層があり、今後もマグニチュード(M)7クラスの大きな地震や津波の発生が懸念されるとの解析を、東京大地震研究所の佐竹健治教授(地震学)や東北大の遠田晋次教授(地震地質学)が2日までにまとめた。
 1月1日に最大震度7、M7.6を観測した後も周辺では地震が続いている。同9日には震源域の北東端付近でM6.1の地震があり、新潟県長岡市で震度5弱を観測した。佐竹氏は「(周辺で)さらに大きなM7クラスの地震が発生すると、佐渡島を含む新潟県沿岸で3メートル程度の津波が予想される」と注意を促す。
 能登半島地震の震源域は、半島を北東から南西に横断するように約150キロにわたって延び、北東端は佐渡島西方沖、南西端は半島の西方沖に及ぶ。複数の断層が連動したとみられている。
 佐竹氏は、1月1日に各地で観測された津波の波形をもとに、今回の震源域と重なる7つの断層がどのようにずれ動いたかを分析。半島北側の沿岸部周辺にある4つの断層が1.2〜4.1メートルずれ動いた一方、北東端の2つと南西端の1つはほとんど動いていないとの結果が出た。
 遠田氏は、震源域より広い範囲で、M7.6の地震発生前後に、断層にたまるひずみがどのように変化したかを計算。南西端付近の断層や、その延長に当たる石川県志賀町沖の断層、半島南部の同県かほく市から七尾市にかけて延びる「邑知潟断層帯」などに、地震の影響でこれまで以上にひずみがたまり、ずれ動きやすくなっているとみている。
 遠田氏は「大きな地震が次にいつ起きるかは分からないが、これらの断層に力が加われば、発生が早まる可能性がある」と話す。
 気象庁は「2004年の新潟県中越地震(M6.8)や16年の熊本地震(M7.3)などで、最大の地震発生から数カ月後に大きな地震が起きたことがある」として、引き続き注意を呼びかけている。〔共同〕
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