[2023_12_27_05]「雰囲気暗い」東電の現場に変化? 再稼働を急ぐ国・東電の狙いとは(毎日新聞2023年12月27日)
 
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「雰囲気暗い」東電の現場に変化? 再稼働を急ぐ国・東電の狙いとは

 11:36
 原子力規制委員会は27日、テロ対策不備による東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)への是正措置命令を解除した。相次ぐ不祥事を経て東電の現場にはどんな変化があったのか。そして、再稼働を急ぐ国や東電の狙いは何か。

 信頼は「あいさつ」から

 11月上旬、記者は柏崎刈羽原発の門をくぐった。日本海に面し、柏崎市と刈羽村にまたがる同原発は全7基、合計出力821・2万キロワットで世界最大級の規模を誇る。敷地面積は約420万平方メートル。東京ドーム90個分の広さだという。
 警備はとにかく厳重だ。周囲はフェンスや有刺鉄線に囲まれ、敷地内の至る所に監視カメラが設置されている。原子炉に近づくにつれて規制のレベルは上がり、最も警備の厳重な放射線管理区域に入るまで何重ものチェックを受けた。
 原子炉建屋の出入り口にあるゲートには、作業員らが列を作っていた。2020年9月、作業員が他人のIDカードを不正使用して中央制御室まで侵入した問題の現場だ。不祥事以降、生体認証を強化するなどの再発防止策を講じてきたという。
 「私自身が納得するまでは再稼働の『さ』の字も言わない」。こう話すのは、柏崎刈羽原発の稲垣武之所長だ。一連の不祥事発覚後の21年10月に着任した。
 着任時に稲垣氏が気になったのは現場の「雰囲気の暗さ」だ。真面目でコツコツ仕事をする人が多い一方、活発な意思疎通がなかった。東電によると、柏崎刈羽原発で働く従業員は約5500人。このうち、約4300人は664社の協力企業の従業員だ。相互に信頼関係を深めることはトラブルの未然防止につながる。失った信頼の回復には、所内で働く作業員らの円滑なコミュニケーションが必須だと考えた。(後略)
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