[2023_12_04_07]インドネシアの火山で大規模噴火 日本への津波影響なし 気象庁 (NHK2023年12月4日)
 
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インドネシアの火山で大規模噴火 日本への津波影響なし 気象庁

 3時06分
 3日夕方、インドネシアの火山で発生した大規模な噴火について、気象庁は噴火による津波の有無を調べていましたが、4日午前3時、「日本への津波の影響はない」と発表しました。
 気象庁によりますと、日本時間の3日午後5時40分ごろ、インドネシアのマラピ火山で大規模な噴火が発生し、噴煙が上空およそ1万5000メートルまで上がりました。
 大規模な噴火が起きると、気圧波による津波が発生することがあり、気象庁が日本への津波の有無について調べていましたが、国内外の検潮所で潮位や気圧の目立った変化は観測されませんでした。
 このため、4日午前3時「日本への津波の影響はない」と発表しました。

 インドネシア当局「死傷者や建物などへの被害の報告なし」

 インドネシアの国家災害対策庁は、日本時間の3日午後7時40分ごろにマラピ火山の噴火について「死傷者や建物などへの物的被害の報告はなく、地域社会の活動も中断されていない」と発表しました。
 また、山頂からおよそ3000メートルほどの高さまで噴煙が上がっているのが確認されているということです。
 マラピ火山はことし1月から火山活動の増加が観測され、警戒レベルは4段階のうち下から2番目の「レベル2」となっていて、インドネシアの当局は火口や山頂から半径3キロ以内には立ち入らないよう呼びかけていました。
 マラピ火山の周辺にある宿泊施設のスタッフは、NHKの取材に対し「火山灰は降っているが深刻な影響は出ていない。営業を続けていて宿泊客も滞在している」と話していました。

 インドネシア当局「火山性地震続く」

 インドネシアの火山地質災害対策局は日本時間の3日午後7時半ごろに新たな情報を発表し、マラピ火山では火山性の地震が続いていると発表しました。
 またインドネシアの地元メディアの取材にマラピ火山のふもとの住民は、大きな爆発音と地震のような振動があったとして、1時間半以上、地鳴りのような音が続いたと話しています。
 また別の地元メディアに答えた住民によりますと住民のなかにはパニックになり、避難した人もいるということです。

 マラピ火山とは

 マラピ火山は、インドネシアのスマトラ島の西スマトラ州にある標高2885メートルの活火山です。
 世界の火山を調査をしている、アメリカのスミソニアン自然史博物館のホームページによりますと、マラピ火山では2011年8月以降、住民や観光客は、火口や山頂から半径3キロ以内に立ち入らないよう呼びかけられていて、2017年や2018年にも噴火や爆発を起こしているということです。
 インドネシアは日本と同じく環太平洋火山帯に位置し、国内に120以上の活火山を抱える世界有数の火山国です。

 気象庁 トンガの大規模噴火踏まえ情報発信

 気象庁は、去年1月に南太平洋・トンガの海底火山で起きた大規模な噴火で日本でも潮位の変化が確認されたことを踏まえ、海外で同じような規模の噴火が発生した場合、潮位の変化に関する情報を発信することにしています。
 具体的には海外で噴煙の高さが上空1万5000メートルに達する大規模な噴火が起きた場合、地震に伴うものとは異なる「津波」が発生するおそれがあることや海外で観測された潮位の変化を伝えるほか、国内では潮位が基準に達した時点ですみやかに警報や注意報を発表するとしています。
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