[2023_10_27_01]東海第二原発の防潮堤工事で施工不良が発覚(工事中断のまま) 8つの問題点と「私たちの課題」6点 「施工不良」の工事区間は『設計も工事も難しい』区間 「安藤ハザマ」が請け負った適当な補修による対策完了→再稼働・超長期運転を許すわけにはいかない(下) 披田信一郎(東海第二原発の再稼働を止める会)(たんぽぽ2023年10月27日) |
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≪8つの問題点≫ 1.施工不良が分かった「鋼管製防護壁を支える基礎」は、周囲に巡らされる防潮堤の中でも、津波を正面から受ける場所であり、そこに既設の取水口があって、それをまたぐような形の防潮壁を作らねばならない 技術的にも厳しい箇所であり、要となる重要な施設であること。 2.東海第二原発の対策工事は、ゼネコン各社に各工区に分けて発注されている。 ここは設計も工事も難しい工区とされるが、「安藤ハザマ」が請け負った。 ほかの原発に強いゼネコンからは、まともな構造物を作るのは難しいので、取水口全体から作り直すべきとの提案もあったそうで、原電としてはそんな時間はないとして、何とかするとした「安藤ハザマ」が設計から工事までを請け負うこととなったらしい。 最初からむりがあったとの見方も。 3.地中での連続壁工法で巨大な南北2本の鉄筋コンクリート基礎を作り、それを支えに長さ約80m×厚さ約6m×高さ約20m、総重量約4600トンの鋼製の桁を載せて、それで防潮壁とするというもの。 他の、「鋼管杭鉄筋コンクリート防潮壁」とは全く構造が違うもの。 4.その基礎部分が施工不良ということは、致命的なものであり、特に、北側基礎が南側より深いところの岩盤に届かせるために深くまでなければならない基礎が足りないということは、完全に作り直しするしかないもの。規制庁もそれを認めている。 5.しかも、この周囲には、「鉄筋コンクリート防潮壁」があり、その基礎も地中連続壁工法で基礎が作られているようで、それらも改めて調査、場合によっては作り直しが必要だ。 6.そもそも、経理的基礎にかけ、ゼネコンとの契約も不調が続いたこと、加えて対策工事に時間がかかることは60年規制からして、再稼働後の稼ぐ運転期間が少なくなることから、工期について工事業者に厳しく対応したともいわれており、それらのつけが回ってきたといえよう。 7.規制員会委員長、規制庁の認識が問題で、原電の工事途中での問題でもその評価が厳しくされねばならないところ、簡単に「報告は聞いていた」としかしていない認識が大問題だ。 完成後の検査で済まないし、本番の津波が来て初めて瑕疵(かし)がわかることとなるのでは。 8.茨城県も、協定上の報告事項ではない、事業者が気づいたのだから対処するはず、としているのは、安全性に対しての危機意識が全くなく、県民らへの生命への配慮のないことを示している。 ≪私たちの課題≫6点 イ.未だ、このような重大な問題について知られていない。 マスコミ報道が、毎日が小さく載せたのと「しんぶん赤旗」読者以外は、全国的にはほとんど伝わっていない。 茨城県版は各紙とも共産党の記者会見を受けて報じたが、その後の追及は出来ていないので、県民にもよくは知られていない。 ロ.原子炉や直接の設備ではない防潮堤という土木施設の建設工事、しかもその基礎の特殊な工法に係る施工不良ということで、理解しにくい。 ハ.しかし、ここでの工事監理の不十分さ、判明後の隠蔽、そもそも工事業者へのコスト的、工期的圧迫を原電自身がしてきただろうことによる、対策工事、ひいては安全性の強化のすべてに信頼性がなくなっていること。 ニ.規制庁・規制委員会も、監理・検査しているのかという不信感。 ホ.推進側による避難計画も、対策工事も適当でよいとしての、政治的推進の危険性。東海村村議会の対応。 ヘ.なので、徹底した情宣、原電をはじめ、規制庁、茨城県、東海村、周辺自治体への働きかけ、およびそれらのアクションを通じた宣伝が必要。 |
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