[2023_10_21_03]膠着の地質審議進展 大間原発 Jパワーが評価新方針(東奥日報2023年10月21日)
 
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膠着の地質審議進展 大間原発 Jパワーが評価新方針

 原子力規制委員会は20日、電源開発(Jパワー)大間原発の稼働に向けた審査会合を開いた。敷地内の「S−11」と呼ばれる粘土質の薄い層(シーム)の地質構造について、Jパワーは一体的に評価する新方針を説明。規制委の審査チームは「方向性は一定程度理解できる」とし、膠着していた地質審議に進展が見られた。
 S−11は、原発敷地内に分布する粘土層の一つ。一部で地表近くに変位が見られ、地下深くにはないとしている。Jパワーは地表近くと地下深くで別々に評価を進めていたが、S−11の評価方針や定義を見直し、薄い層がない地点も含めて一体で活動性を評価する手法に改めた。
 審査チームは「将来活動する可能性のある断層等」に該当するか見極めるため全体で評価するよう指摘していた。20日の会合ではJパワーに対し、段階を踏んで調査や検討を進めるよう求めた。
 Jパワーは一部地点は「後期更新世以降(約13万〜12万年前以降)の活動を否定できない」とし、指標を定めて、変位がある箇所と同様の地点、または活動がないと認められる地点に分けて敷地全体の分布を調ベる。変位がある地点は、層を掘削するなど工学的に対処し、S−11全体で基準に適合していることを示す考え。   (加藤景子)
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