[2023_10_09_01]鳥島近海震源の地震で伊豆諸島などで津波観測 専門家“体積膨張により海面変動か”過去にも海底火山が起き…(日テレ2023年10月9日)
 
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鳥島近海震源の地震で伊豆諸島などで津波観測 専門家“体積膨張により海面変動か”過去にも海底火山が起き…

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 9日朝、鳥島近海を震源とする地震があり、伊豆諸島をはじめ太平洋沿岸で津波が観測されましたが、専門家が今回観測された地震波形データなどを分析したところ、通常でみられる断層破壊と異なり、体積膨張によって海面変動がおきた可能性があることが分かりました。鳥島近海では、これまでも海底火山の影響とみられる津波が発生して、詳しく調べることにしています。
 東京大学地震研究所の三反畑修助教は今回、各地で観測された地震波や津波のデータの分析をおこないました。それによりますと、通常の地震でみられる断層破壊の際に生じる波形とは異なり、体積が膨張した際に生じる波形データに類似しているということです。
 この体積膨張の要因については、地形の変形を伴っていて、地下からマグマが上昇したことで海水を押しあげた可能性が1つ考えられるとしています。
 近くに海底火山のある鳥島近海では1984年以降、10年に一回程度、通常おきる地震の規模に比べて規模の大きな津波が発生することが知られていて、三反畑助教は、いずれも鳥島の北側にある須美寿(スミス)カルデラで海底のマグマが海底の岩盤を押しあげて津波を発生させたと分析しています。
 この現象は「トラップドア断層破壊」と呼ばれていて、2015年の5月に八丈島で60センチの津波を観測したマグニチュード5.9の地震でも、地下のマグマ活動が津波を発生させたということです。
 9日朝の地震の震源は鳥島の南側と推定されていて、海上保安庁によりますと、近くには孀婦岩と呼ばれる海底火山があることから、三反畑助教は、地下のマグマ活動によって津波が発生した可能性もあるとみて引き続き、データの詳細な分析を進めています。
 三反畑助教は、マグマ上昇による海面の変動は陸地で大きな揺れを伴わないケースも多く、気象庁が出す津波情報に注意してほしいと話しています。
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