[2023_09_27_03]「核のごみ」処分地選定 宮下知事“一喜一憂する立場にない”(NHK2023年9月27日)
 
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「核のごみ」処分地選定 宮下知事“一喜一憂する立場にない”

 19時32分
 原子力発電で出るいわゆる「核のごみ」の処分地選定をめぐって、長崎県対馬市の市長が選定の第1段階となる「文献調査」を受け入れない意向を表明しました。
 これについて県内に「核のごみ」が一時保管されている青森県の宮下知事は、「立地点が決まる過程のなかにあると思うので、いち地域のことについて一喜一憂する立場にはない」と述べました。
 原子力発電所の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」は、国内では9割近くが六ヶ所村にある「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」などで一時的に保管されていて、国は県内を最終処分地にしないとする確約を示しています。
 「核のごみ」は最終処分場を設けて地下300メートルより深くに埋めることが法律で定められていて、処分地の選定に向けては3段階で調査を行うことになっています。
 このうち、第1段階にあたる「文献調査」の受け入れについて議論が続いてきた長崎県の対馬市の比田勝尚喜市長は、27日市議会で、調査を受け入れない意向を表明しました。
 「核のごみ」の処分地選定に向けた調査は、北海道の2つの自治体で3年前から全国で初めて実施されていて、現在、「文献調査」の報告書を取りまとめる作業が行われています。
 ただ、北海道のほかに調査を受け入れる自治体がない中、地元からは、「なし崩し的に処分地に決まってしまう」という懸念などから、調査を全国に拡大するよう求める声が上がっています。
 一方、今回、対馬市が調査を受け入れないとしたことについて、青森県の宮下知事は、「個別の自治体の判断に私自身はコメントする立場にはない。長い時間をかけて立地点は決まっていくもので、その過程の中にあると思うので、いち地域のことについて一喜一憂する立場にはない」と述べました。
 その上で、「本県の高レベル放射性廃棄物の最終処分については、国と事業者から最終処分地にはしないことと最終的に搬出されるということの確約がある。そこが揺らぐことはないという風に考えている」と述べて、政府が青森県内を「核のごみ」の最終処分地にしないとする確約に影響はないとする認識を示しました。
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