[2023_09_26_02]函館市議会が「処理水」放出反対の意見書を採択 大間原発の差し止めを求める函館市の議会が 汚染水でも中止を求める意見書採択(9月19日) 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ2023年9月26日) |
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福島県や宮城県などで相次いだ意見書。中止を求め、撤回を求める意見書は福島県など東北地方沿岸部をはじめ各地で採択されている。 放出開始以降も続いており、そのうちの一つで最近採択された函館市議会の意見書を紹介する。 令和5年 第3回市議会定例会 意見書 案第3号 ALPS処理水の海洋放出をただちに中止すると共に処理水削減の抜本的な対策を求める意見書 上記の意見書案を函館市議会会議規則第13条第1項の規定により提出します。 令和5年9月13日提出 函館市議会議長 吉田崇仁 様 提出者 函館市議会議員 富山悦子 同 同 市戸ゆたか 同 同 紺谷克孝 ALPS処理水の海洋放出をただちに中止すると共に処理水削減の抜本的な対策を求める意見書 8月22日に岸田首相は、関係閣僚会議を開き、ALPS処理水の海洋放出を8月24日午後1時から実施しました。 ALPS処理水は、東京電力福島第一原発事故によって発生し続けている放射能汚染水を、「多核種除去設備」(ALPS)によって処理した水のことであるが、処理後の水にもトリチウムをはじめとした核物質が含まれています。 岸田首相は、このALPS処理水を今後30年にもわたって海洋に放出することを、漁業者らの反対の声を無視して実施しました。 かつて政府と東電は、漁業者らに対して「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」との約束を漁業者と交わしたが、この約束を反故にして、放出時期を「2023年の春から夏ごろ」と表明、海洋放出に向けた準備工事を進めてきました。 岸田首相は8月21日に漁業関係者と面会し、その場でも漁業関係者は「海洋放出に反対であることはいささかも変わらない」と述べたが、「一定の理解を得たと判断した」として海洋放出をおこないました。 政府と東電は、廃炉を進めるためにALPS処理水の海洋放出は先送りできない「待ったなし」の課題というが、いま優先して取り組むべきは汚染水をこれ以上増やさない地下水流入・汚染水削減の抜本的対策です。 ここに着手しなければ、汚染水は増え続けます。 このことについては、令和5年8月中核市議会議長会でも要望しています。 福島第一原発事故から12年が経過した今も被害は続いています。いまだ多くの人びとが故郷へ戻れず、被害者への補償も十分に行われていません。 また農林水産業、観光業など生業を取り戻す懸命の努力が続けられているが、復興からはほど遠く、とりわけ漁業の水揚げ量は原発事故前の2割にとどまっています。今も続く原発事故被害から目を背け、ALPS処理水の海洋放出を強行し、地元漁業の復興を阻害することは断じて許されません。 よって政府は、ただちにALPS処理水の海洋放出を中止すると共に処理水削減の抜本的な対策を求めます。 以上、地方自治法第99条に基づき提出いたします。 令和5年9月 日 函館市議会議長 吉田崇仁 原本は以下のところにあります。 https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2023090500098/files/ikensyoan3.pdf これは、提案時の原本です。意見書は9月19日に賛成多数で採択されたそうです。 ☆ 北海道新聞、時事通信による。 時事通信「処理水放出、直ちに中止を 北海道函館市議会が意見書」 北海道新聞「原発処理水の放出中止求める 函館市議会、意見書を可決「漁業者らとの約束をほご」」 「意見書案は共産党(3人)が提出し、立憲民主党系の民主・市民ネット(8人)と無所属3人が賛成。議長を除く自民党系の新市政クラブ(9人)と、公明党(4人)が反対し、14対12で可決された。」 (北海道新聞) ☆ いわき市議会は21年5月にも「政府の決定は、ようやく芽生え始めた希望に冷や水を浴びせかける、最悪のタイミング」などとする意見書を可決。今年6月は「海水浴シーズンを迎えるにあたり、海を資源とした観光産業や水産業に関わる事業者、市民からも懸念の声が上がっている」とし、国と東電、漁業者の「約束」を履行するよう求める意見書を可決した。 なお、朝日新聞によると、福島県内で汚染水海洋放出を決定した2021年4月13日の閣議決定以降、「撤回」、「中止」、「陸上保管」を求める意見書を採択したのはいわき市、相馬市、新地町、二本松市、喜多方市など16議会にのぼり、「市民、県民の復興に向けた懸命な努力を無にする海洋放出に強く抗議する」(南相馬市議会)、「南会津郡内では、原発事故の直接的な影響は極めて少なかったにもかかわらず、大きな風評被害に見舞われ、地域経済に大きな影響が及んだ。海洋放出を強行しないこと」(下郷町議会)等と、明確に反対の意志を示した。 一方、「丁寧な説明」「風評対策」とする意見書は福島市、湯川村などの6議会。 |
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