[2023_09_22_06]東海第2原発 早期再稼働 請願「採択するべき」 東海村議会が事実上初の賛意(東京新聞2023年9月22日)
 
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東海第2原発 早期再稼働 請願「採択するべき」 東海村議会が事実上初の賛意

 07時44分
 日本原子力発電東海第2原発原発(茨城県東海村)の再稼働を巡り、東海村議会の原子力問題調査特別委員会は21日、早期再稼働を求める請願1件を賛成多数で「採択するべき」と結論づけた。東日本大震災後、運転休止が続く東海第2原発の再稼働について、同議会が事実上の賛意を示したのは初めて。(長崎高大)

 特別委は議長を除く全議員で構成するため、同請願は12月ごろ開催予定の次の村議会定例会の本会議でも採択される公算が大きい。採択された場合、村議会は国に対し再稼働を求める意見書を提出する見込み。
 東海第2原発の再稼働については、住民らから賛成2、反対3の計5件の意見書提出を求める請願が出ている。今回の請願は、このうち最も早い2021年4月に村商工会が提出した。21日の特別委では全委員が請願に対する賛否や理由を述べた後、採決した。
 保守系会派「新政とうかい」の議員らは、電気代高騰対策やカーボンニュートラル(温室効果ガス実質ゼロ)実現などに役立つとの点から早期再稼働に賛同。反対派の議員らは、実効性のある広域避難計画策定の見通しが立っていないことや、老朽化に伴う安全性への懸念などを挙げた。公明の2人は「現時点では判断できない」とした。
 採決では、新政とうかいの7人が採択に賛成し、光風会の2人と無所属の3人は挙手せず、賛成多数となった。公明の2人は退席して棄権した。

 ◆反対派は批判

 東海第2原発原発運転差し止め訴訟原告団の相沢一正さん(81)は特別委傍聴後、取材に「提出から時間がたっているとはいえ、参考人の話を聴くばかりで実際に議論した時間はほとんどない。今日もそれぞれが意見を言うだけで、議論は十分でなかった」と批判。
 そのうえで「再稼働は避難計画ができた段階で住民の意見を聴き、首長が判断するという流れ。村議会が急いで結論を出す必要はなかった」と疑問を呈した。
 病欠した委員長の代理を務めた寺門定範副委員長(新政とうかい)は「提出から2年半たち、早く結論を出してほしいという意見も聞いていたが、ようやく応えられた。この件だけで30回以上委員会を開き、十分に議論しての採決だったと考えている」と話した。
 特別委は他の4件の請願についても、次の定例会までに結論を出すことを目指し、議論を進める予定。
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