[2023_09_02_03]東京電力、1地点からトリチウム 放出口の近く、基準は下回る(福島民友2023年9月2日)
 
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東京電力、1地点からトリチウム 放出口の近く、基準は下回る

 2023年09月02日 08時03分
 東京電力は1日、福島第1原発で発生する処理水の海洋放出後に原発の3キロ圏内で行っている海域モニタリング(監視)について、10地点で8月31日に採取した海水の放射性物質トリチウム濃度を分析した結果、1地点で1リットル当たり10ベクレルのトリチウムが検出されたと発表した。ほかの9地点では検出限界値(1リットル当たり10ベクレル)未満だった。10地点全てで放出停止を判断する基準(同700ベクレル)を下回っている。
 東電は、事前の拡散の想定と違いは見られず「計画通り安全に放出できている」としている。
 東電によると、1リットル当たり10ベクレルのトリチウムが検出されたのは処理水の放出口から北に200メートルで、放出口に最も近い採取地点。東電は、この地点で8月24日採取した海水について、検出限界値を同0・4ベクレルまで下げて再測定した結果、同2・6ベクレルのトリチウムが検出されたことも公表した。

 県と国は検出なし  

 県は1日、第1原発周辺の地点で8月30日に採取した海水のトリチウム濃度を分析した結果、いずれも検出限界値(1リットル当たり3・9〜4・4ベクレル)未満だったと発表。環境省が11カ所で8月30日に採取した海水からも検出限界値(同7〜8ベクレル)を上回るトリチウムは検出されなかった。
 水産庁は、処理水の放出口から5キロ圏内で8月31日までに採取したヒラメ2匹の分析結果を発表、ともに検出限界値(同8・49〜8・66ベクレル)未満だった。

 ベニマルが自主検査

 ヨークベニマル(郡山市)は1日、茨城大と連携して海産物に含まれる放射性物質トリチウム濃度の自主検査を始めたと発表した。消費者に安心して海産物を食べてもらうことが目的で、同社ホームページで結果を随時公表していく。
 茨城大大学院の研究室に依頼し、海産物の一部を切り身にしてサンプルで測定する。当面は相馬市の漁港や水戸市場(茨城県)の海産物が対象で、迅速検査法と呼ばれる手法で海産物の水分を採取し、分析する。
 検出の下限値は欧州連合(EU)の飲料水基準の1リットル当たり100ベクレル。1日に調べた相馬市の3検体はいずれも検出されなかった。
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