[2023_08_30_14]緊急地震速報 来月26日から 揺れ過大予測を低減 震源の推定方法攻善(東奥日報2023年8月30日)
 
参照元
緊急地震速報 来月26日から 揺れ過大予測を低減 震源の推定方法攻善

 緊急地震速報について、気象庁は29日、揺れの過大予測を低減するため、震源の推定方法を改善すると発表した。これまでは、複数の場所で同時に地震が起こると、同一のものと判断して地震の規模であるマグニチュード(M)を大きめに予測してしまうことがあったが、違う地震として処理できるようになる。9月26日午後から新たな運用を開始する。
 緊急地震速報は、震源に近い地震計の観測データを基に、各地の揺れを予測し発表するシステム。2007年10月から一般向けに提供を始めた。
 震源を推定する際は従来、複数の方法を使って観測された揺れが一つの地震かどうか判別している。16年12月からは、検知時刻や振幅などのデータを利用し精度良く分析できる「IPF法」も加えた。
 しかし、18年1月に茨城県沖のM4・5と富山県西部のM4・0の地震がほぼ同時に発生した時は、IPF法と別の方法による震源の同一判定が誤ってしまい、M6・4の地震として緊急地震速報を出した。今後は、震源の推定について、複数の手法を併用するのではなく、さらに改良したIPF法に一本化することで、こうした事例を防ぐことができるようになるという。

 ●緊急地震速報 震源から伝わる地震波には、秒速約7キロの初期微動(P波)と、秒速約4キロの主要動(S波)がある。強い揺れで被害をもたらすのはS波。気象庁は、早く伝わるP波を観測して震源や地震の規模を推定し、S波到達前にスマートフォンの防災関連アプリやテレビなどを通じて危険が迫っていることを速報する。
KEY_WORD:地震一般_: