[2023_08_30_12]石渡明委員はあらためて反対したが…原発60年超運転の規則改正を決定 原子力規制委 4委員が賛成(東京新聞2023年8月30日)
 
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石渡明委員はあらためて反対したが…原発60年超運転の規則改正を決定 原子力規制委 4委員が賛成

 2023年8月30日 21時27分
 原子力規制委員会は30日の定例会合で、原発の60年超運転に向けた新たな規制制度に関する規則改正などを賛成多数で決定した。60年超運転を可能にする法改正に規制委でただ一人反対した石渡明委員は、この日も反対し、規制委内で意見が割れたまま、新たな制度が施行されることになる。

 ◆「安全側への改変とは言えない」と主張していた石渡委員

 5月の法改正で、原発の運転期間は「原則40年、最長60年」とする規定が原子炉等規制法(炉規法)から削除され、電気事業法(電事法)に移った。電事法では再稼働の審査などで停止した期間分の追加延長を認め、60年超運転が可能になる。
 石渡委員は2月の定例会で「安全側への改変とは言えない」などとして制度変更に反対。この日の定例会では、規制制度の詳細を決めるかを議論したが、石渡委員は「法改正そのものに反対した以上、賛成できない」と述べ、「審査にかかった時間を(延長運転に)加えることには反対だ」と主張を変えなかった。ほかの委員4人は賛成した。

 ◆山中伸介委員長「技術的な課題はない」

 山中伸介委員長は定例会後の記者会見で「運転期間に対する考え方の相違であり、技術的な課題はない」との見解を示した。
 新たな規制制度は、原発の運転開始後30年を起点に劣化の審査を始め、新規制基準に適合していれば運転を認可。10年以内ごとに審査を繰り返す。全面的な施行は2025年6月6日の予定だが、規制委は今年10月1日から新制度による運転延長の申請の受け付けを始める。(渡辺聖子)
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