参照元
中国の輸入停止受け水産事業者支援 新たに数百億円程度で調整
　2023年8月30日 17時50分
　中国が日本産の水産物の輸入を全面的に停止したことを受けて、政府は水産事業者を支援するための緊急対策の原案をまとめました。ホタテなどの輸出先の転換を支援することなどが柱で、政府は既存の基金に加え新たに数百億円程度を充てる方向で調整しています。
　東京電力福島第一原発にたまる処理水が放出されたあと、中国が日本産の水産物の輸入を全面的に停止したことを受けて、政府は水産事業者を支援するための緊急対策を取りまとめる方針で、その原案が明らかになりました。
　それによりますと、ホタテなど輸出が急激に減り大きな影響を受ける品目を中心に輸出先の転換を支援したり、消費する国に直接輸出できるよう国内の加工体制を強化したりするとしています。
　また、漁業者の団体などが一時的に買い取って冷凍保管する取り組みを進めることや、国内の消費拡大に向けて国民運動を展開すること、それに、科学的な根拠に基づく透明性の高い情報発信を行うことも盛り込んでいます。
　政府は、これらの対策について、風評対策や漁業者の事業継続などを目的に設けた、合わせて800億円に上る2つの基金を活用するのに加え、新たに数百億円程度を充てる方向で調整しています。
　そして、31日にも岸田総理大臣と関係閣僚が協議を行い、近く決定することにしています。