[2023_08_29_03]処理水放出「反日感情は一部」…中国での日本フェアは盛況だが、観光回復へ消えない不安(南日本新聞2023年8月29日)
 
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処理水放出「反日感情は一部」…中国での日本フェアは盛況だが、観光回復へ消えない不安

 2023/08/29 17:51
 東京電力福島第1原発処理水の海洋放出後に中国で対日感情が悪化していることで、鹿児島県内経済への影響が懸念されている。「反日感情が高まっているのは一部のみ」と冷静な見方がある一方、「インバウンド(訪日客)の復活が遠のくかもしれない」と観光業界は今後を不安視する。
 康正産業(鹿児島市)が運営する宮崎市内の飲食店には26日、中国からとみられる電話が1件あった。担当者は「中国語で一方的に怒鳴られ、内容は分からなかった」としつつ、福島県を中心に確認されている迷惑電話と推測する。
 ただ、対日感情の悪化が中国国民全体に広がっているわけではないとの意見もある。中国・東莞市に工場を持つ鹿児島精機(霧島市)の徳永佑太最高財務責任者(CFO)は「現地工場への嫌がらせなどの報告はなく、いつも通り稼働している」と話す。
 県上海事務所は26、27の両日、寧波市であった日本フェアに参加し、県産の本格焼酎をPRした。会場は来場者でにぎわい、「日本産品が好きだが、芋焼酎は飲んだことがなく興味があった」と購入していく客もいた。宮内二郎所長は「生活していて危険を感じることもない。反日感情を高めているのは一部だけでは」と指摘する。
 県内観光業者からは今後を心配する声が上がる。南薩観光(南九州市)の菊永正三社長は「中国政府が再び日本への旅行を制限しないか気がかりだ」と語る。城山ホテル鹿児島(鹿児島市)の小宇都貴文マーケティング部長も「鹿児島空港の定期便が再開し、コロナ下で減少した客足が回復するのを期待していた。今回の件で先延ばしになるかも」と残念がった。
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