[2023_08_27_05]処理水放出の翌朝、日本人学校に卵が…中国でも日本でも嫌がらせ相次ぐ 反日感情をあおるSNS投稿も急増(東京新聞2023年8月27日)
 
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処理水放出の翌朝、日本人学校に卵が…中国でも日本でも嫌がらせ相次ぐ 反日感情をあおるSNS投稿も急増

 2023年8月27日 21時14分
 【北京=白山泉】東京電力福島第1原発の処理水海洋放出後、中国各地の日本人学校に対する嫌がらせが相次いだことが分かった。中国のインターネット上では反日感情をあおる投稿が急増している。日本製品の不買も呼びかけられており、日中関係の改善が遠のくのは必至だ。

 ◆石を投げ込んだ中国人は拘束

 上海総領事館によると、江蘇省蘇州市の日本人学校では25日朝、複数の卵が敷地内に投げ込まれているのが見つかった。学校は夏休み中で、児童・生徒や建物への被害はなかった。同校は警備を強化した。
 また北京の日本大使館によると、山東省青島の日本人学校では敷地内に石を投げ込んだ中国人が、現地公安当局に拘束された。当時、校内に児童らがいたが、けがなどはなかった。
 24日に海洋放出が始まると、中国メディアは日本の対応を一斉に批判。これまでに反日デモは発生していないもようだが、中国の交流サイト(SNS)では「小日本」という蔑称を使い、日本製品の不買が呼びかけられている。

 ◆東京のインドカレー店に嫌がらせ電話

 日本の自治体や飲食店などへの嫌がらせ電話も相次ぐ。中国のSNSには男性が東京のインドカレー店に電話し、中国語で「なぜ汚染水を海洋に放出したのか」と問いただす動画なども投稿された。
 非科学的な内容も目立ち、微博(ウェイボ)では「日本では3日で5回の地震が発生した」とするニュースが検索ランキングでトップに。書き込み欄には「因果応報」などの言葉が連なった。中国政府はこうした書き込みを黙認しており、国内経済が低迷する中、庶民の不満をそらす狙いもありそうだ。
 対日感情の悪化を受け、北京の日本食料理店は「当店では日本産の海鮮食品を販売しません」などと掲示している。一方、香港紙サウスチャイナ・モーニングポストは26日、「多くの人が海鮮を食べなくなり、中国企業が影響を受ける」などと指摘した。中国のSNSでも反日感情をあおる報道などを批判する書き込みも少なくない。
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