[2023_08_19_04]反対派怒声 町長を包囲(東奥日報2023年8月19日)
 
参照元
反対派怒声 町長を包囲

 使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設に向けた調査容認を表明した山口県上関町。舞台となった18日の臨時議会に向かう西哲夫町長は反対派の住民らに約30分間囲まれ、周囲には怒声が響いた。人口減少が続き、財政難にあえぐ町。西氏は終了後の記者会見で「町民の生活を守っていかないといけない」と述べ、苦渋の決断だったと強調した。
 西氏は午前8時半ごろ、車で町役場に到着。反対派住民らが「核のごみを持ち込まないでください」と書かれたプラカードを掲げて囲んだ。地面に倒れたり、警察に排除されたりする人もいた。
 臨時議会では町議がそれぞれ意見を述べた。賛成派は、中国電力が予定していた町議への説明会が反対派住民の阻止で中止されたと指摘。「賛成、反対は個人の自由だが、他者の権利を.阻害することがあってはならない」と訴えた。役場1階に設けられた中継モニターで様子を見守った住民らは、反対派3人の意見陳述に拍手で応えた。
 上関町の人口は1982年の約6900人から、今年7月末時点で2310人まで減少。町で計画される原発に絡む交付金が工事の中断で減額され、財政は逼迫する。西氏は会見で「現実を直視する必要がある。感情論でこの町は耐えられない」と語った。
KEY_WORD:中国電力_上関町_中間貯蔵_検討_:中間_貯蔵施設_福井県外_: