[2023_08_16_02]核ごみ最終処分場調査 長崎・対馬市議会特別委 「賛成」請願を採択(毎日新聞2023年8月16日)
 
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核ごみ最終処分場調査 長崎・対馬市議会特別委 「賛成」請願を採択

 2023/8/16 16:13(最終更新 8/16 20:08)
 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の候補地選定に向けた調査を巡り、長崎県の対馬市議会は16日、第1段階の文献調査について賛否11団体から提出された8件の請願を審査する特別委員会を開いた。建設業団体などが提出した「調査受け入れ」の請願を賛成多数で採択。今後開かれる市議会本会議でも採択される見通し。市議会の態度が明確になったことを受け、最終決定者の比田勝尚喜市長の判断に焦点が移る。
 交付金を活用した地域振興策に期待を寄せる建設業団体や市商工会など5団体が調査受け入れや受け入れ検討を求める一方、風評被害を懸念する漁協や市民団体など6団体が受け入れ反対を訴え、それぞれ請願を提出していた。市議会は6月、議長を除く全市議18人で構成する特別委を設置し議論を進めてきた
 最終処分場の選定は@文献調査(2年程度)A概要調査(4年程度)B精密調査(14年程度)――の3段階を経て決まる。文献調査実施で国から最大20億円、概要調査に進むとさらに最大70億円が交付される。
 文献調査を巡っては、既に北海道の寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村でそれぞれ2020年11月に始まり、原子力発電環境整備機構(NUMO)が作業を進めている。ただ、調査期間の2年程度を過ぎても結論は出ておらず、議論は停滞している。【城島勇人】

 鈴木達治郎・長崎大教授(原子力政策)の話

 最終処分場は原発推進、反対の立場に関わらず必要で、採択は大きな一歩だ。ただ、このままでは(調査に)手を挙げた自治体の住民が分裂してしまう。なぜ最終処分場が必要かなど、問題の理解を深める議論をしなければ住民間の対立は消えず、処分場の先行きも見通せないままになるだろう。
KEY_WORD:対馬_最終処分場誘致_:寿都町_調査応募検討_:神恵内村_文献調査_: