[2023_07_26_06]原発安全対策の費用“電気小売り事業者も一部負担”経産省検討 (NHK2023年7月26日)
 
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原発安全対策の費用“電気小売り事業者も一部負担”経産省検討

 原子力発電所の安全対策にかかる巨額の費用について、経済産業省は、脱炭素の実現に貢献する投資と位置づけ、原発を運転する電力会社以外の電気の小売り事業者も一部を負担する仕組み作りの検討を始めました。
 脱炭素社会の実現やエネルギーの安定供給に向けて、政府は原発を最大限活用する方針ですが、全国の原発では、新たな規制基準に合格するために追加の安全対策が行われ、電力各社によりますと、その額は再稼働した原発1基当たり2000億円前後と巨額の負担になっています。
 経済産業省は26日開かれた審議会で、原発の再稼働を促すため、安全対策にかかる費用を脱炭素の実現に貢献する投資と位置づけ、新たな支援制度の対象に加える検討を始めることを明らかにしました。
 新たな制度は、再生可能エネルギーの発電所を新設したり、火力発電所などで二酸化炭素の排出を減らす改修を行ったりした際、電気の小売り事業者の負担で原則20年間は発電容量に応じた固定収入が保証されるようにして投資の回収を支援する仕組みで、今年度の導入を目指しています。
 この対象に、原発の安全対策費を加えることについて、審議会の委員からは、費用の妥当性を評価する仕組みや、支援の上限を設けるといった制度設計が重要だといった意見や、安全対策で二酸化炭素が減るわけではないので、制度の趣旨に沿わない面があるといった意見が出されました。
 経済産業省は今後、どういった費用を支援の対象とするのかなど、詳しい制度設計について検討するとしています。松野官房長官「脱炭素電源への投資を着実に促す制度」松野官房長官は、午後の記者会見で「発電事業者に投資回収の予見性を確保することで、脱炭素電源への投資を着実に促す制度だ。これにより脱炭素化された電気を提供するとともに、中長期的な観点から安定供給上のリスクや価格高騰リスクを抑制することで、消費者にもひ益する」と述べました。
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